第4話

インド空港
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2018/09/27 13:43 更新
「耳まだ痛てえよ。お前はそんなことない?」
僕らは長い長い空港内を歩いていた。
「いや、痛くないかな」
「そっか」
たった数時間のフライトでいつもと同じように友人としゃべっていると全く日本をでた感覚がない。
僕らは集団で入国審査を待つ。周りには意外にも欧米系の外国人が多かった。いくら英語の成績が良くても向こうの人の通常会話は聞き取れない。
「入国の時にはパスポートを出して、何目的で来たかと聞かれたらスクールトリップと答えてください」
担任の先生が迷惑にならないよう気をつけながら声を張る。道行く外国人がなんだとこちらを見てくるが特に興味はなさそうだ。僕らは一人一人、入国審査へ向かった。全員が通るまで少なくない時間がかかった。
「じゃあ荷物を持ってバスに向かいます」
僕らは先生の後に続く。空港の大きな自動ドアが開く。
「うわっ」
隣から声がした。それと同時に僕の鼻腔にインドの空気が通った。
「臭くね」
皆が口々に言う。決して鼻がもげそうなほど臭いわけではないけど鼻はつまみたくなる。なんとも言えない独特の香りがした。しかし少し嬉しい気がした。ここは日本ではないと体が反応したからだ。僕はインドに来たんだ。思わずインスタントカメラを構えて一押し。

パチッ。

地元の人からしてもクラスメイトからしてもなぜここで撮るのかはわからないだろう。とても特別感がある眺めではない。でも僕はこの一枚にこの衝撃を閉じ込めた。手のひらと同じ大きさのカメラが機械音を鳴らしながら思い出を吐き出す。僕はそれを取り、扇子のように仰ぐ。こんな時、頬を緩ませてみんなは過ごすのだろうか。
「おい。行くぞ」
僕の理想の顔をしてる彼がいた。
「うん」
僕は勝手に彼の喜びを共有しながらバスへ乗り込む。大型バスだった。日本で夜行バスに用いられるくらいの大きさだ。彼が窓側、僕が廊下側に座る。彼は景色撮りたいんじゃないかと窓側を勧めてくれたがインスタントカメラで動きながらの景色を撮るのは難しい。僕は遠慮した。そして少し疲れてしまったのか2つある手持ちバッグのカメラ用の方へカメラをしまってちょっとだけ眠った。

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