オッパに元気をもらってから一週間
私は先生に会いに行けずにいた
いざ顔を見るとなると不安になってなかなか足が進まない
そんなことを繰り返していたら夏休みもあと一週間になってしまった
終わってほしくないけど、
時間は待ってくれない
気分転換に図書館に行くことに
残りの宿題を仕上げてしまおう
暑苦しい外から図書館へ入れば
寒いくらいの冷気が私を包む
今日は普段はいかない二階にある自習室に行くことにした
ちらほらと人はいるけどまだまだ広く空いている
一番奥の席に見慣れた後ろ姿
会いたくて、でも会いに行く勇気の出なかった人
周りに聞こえないように小さく呼ぶと振り返った先生
黒かった髪が赤みがかった茶色に変わっていて
さらに私を惹きつけるものになった
隣に呼んでくれたことは凄く嬉しかったのに
先生が黙っていて申し訳ない気持ちがあふれてくる
少し悲しい気分になったけど
切り替えて早く終わらせるために頑張った。
一時間ぐらいしたところでやっとワークが完成した
先生の後をついていくと図書館の中にある小さなカフェに入ることに
先生の笑顔を見ると心がふっと楽になった
アイスココアとアイスコーヒーを頼んでくれた先生
さらっと店員さんに頼む姿、そんなことでさえも今はときめいてしまう
そう言って先生は私の手を両手で優しく包んだ
俯きながらそう言うから
私から手を握り返すと先生は驚いたように顔を上げた
言っちゃった
でも、もうこれで夏休み明けからはただの先生と生徒に戻るんだ
キスのことも全部忘れて
先生が名前を呼ぶけど目を見ることはできなかった
分かっていても振られるのは辛いから
先生の手が私の顎を支えて目線が合う
恐る恐る見た先生の目はびっくりするぐらい優しかった
ふわっと頭を撫でる先生の口角は余裕そうに上がっていて
顔を真っ赤にしてる私がバカみたい
ココアとコーヒーはとっくに氷が溶けて薄くなってしまっていた













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。