第10話

悔恨
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2025/04/02 11:19 更新



『ねぇ、今日の夜ご飯ハンバーグかオムライス、どっちがいい?』



なんて、誰もいない空間に呼びかける。








半年前までは答えをくれる人がいた。







なんでいなくなっちゃったのかな?

答えは出ぬまま俺はハンバーグをこね始める。


北斗が美味しいって言ってくれたハンバーグ。

毎日食べたいって言ってくれたハンバーグ。


もう彼はいない。


皿に盛り付けられた少し焦げたハンバーグ。



『ッあれ?こんな味、だったっけッ…?』



俺が作ったハンバーグはケチャップをかけていないのにも関わらず、塩辛い。

違う、、、もっと美味しかったはず。

































いや、塩辛いなんて嘘。


"もっと美味しかった"なんて嘘。


レシピは変えてないし、いつも彼は何もかけないで食べてくれてた。


本当はもうとっくに味なんてわからなくなってんだ。

味がしない肉の塊を水と共に腹に流し込む。



彼がいた時は楽しかった食事の時間も今はただの"作業"と化して。


俺の中ではまだ彼のぬくもり、


肌の感触


彼の声が頭にこびりついて離れずに



今も彷徨い続けて





あーあ。





なんであの時見殺しにしちゃったんだろ


まだ悔恨の念と北斗の声、

味のしないハンバーグに俺は囚われて生きていく

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