第18話

17.
407
2026/06/30 13:00 更新






志摩が 皿を 下げてから

どれぐらい 経っただろう。






張り詰めた 神経のせいか 時間の感覚が

酷く 曖昧に なっている。









コンコン 、と 昨夜から 何度も 聞いた

ノックの音がした 。








しかし 、明らかに さっきまでの 2人とは

リズムが 違った 。





どこか 遠慮がちで 硬い 。





九重
九重
  あの .... 少し 、いいですか  






ドアの向こうから したのは さっき 起きた時に


聞いたのと 同じ声だった 。



(なまえ)
あなた
  .... 。 





私が 返事を しないでいると 、

気まずそうに 言葉が 続けられた 。




九重
九重
  ...桔梗隊長からの 預かり物です  


九重
九重
  連絡用の スマートフォンです 。 
扉の前に 置いておきますね 。




スマホ 、という言葉に 私は ベッドから


重い体を 起こした 。



九重
九重
  この端末には 私たち 四機捜と  
桔梗隊長 、それから 病院の 連絡先
しか 入っていません 。


九重
九重
  GPSが 付いているので  
外に出れば すぐに 分かります 。





GPS .... 。



やはり どこまでも

私を 外に出す気は ないらしい 。











淡々と 、でも どこか 申し訳 無さそうに

続けられる 。




九重
九重
  .... もし 、ゲームとか 、
入れたい アプリがあれば
言ってください


九重
九重
  隊長から 許可が 出れば  
入れられますから





ゲーム 。

この状況で 私が ゲームをして 遊ぶとでも

思っているのだろうか 。




九重
九重
  ... 以上です 、 
何かあったら いつでも
呼んでください






それを最後に 足音が 遠ざかっていく 。







ゆっくりと ドアに近づき 、

数センチ 隙間を 作る 。






床には 無機質な箱に 入った 黒のシンプルな

スマホが ぽつんと 置かれていた 。







すぐにとって 部屋に入ると

手に取って 画面をつける 。










色々と いじってみたが 、Googleで 検索を

することさえ できないようで 、

本当に ただの 通話機能が ついた板だ 。












私はそれを ベッドに 放り投げ 、

また 暗い 部屋の 隅に 背を向けた 。






















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