佐久間side
「ただいま」
マンションに帰ってあなたの荷物をバラす。
「これここに置いてもいい?」
「いいよー、ってなにそれ」
「家族」
あなたが手にしていたのは、幸せそうに笑う幼いあなたを囲う家族の写真だった。
「お兄ちゃんがくれたの。」
「優しそうなお母さんだね」
「うん、また会いたいな...」
悲しそうに笑うあなたを強く抱きしめる。
「会えるよ、必ず」
「...うん」
あなたのお母さんが今どこにいるのか。そもそも生きているのか。
俺にはわからない。あなたにもわからない。
でも信じたいと思った。あなたがどこかでまた母親と会えることを。大好きな家族とまた4人で笑い合えることを。
「あなた?」
「ん?」
「大好きだよ」
そう言うと彼女は、決まって少し顔を赤らめがら
「私も大好き」
と言うんだ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!