第9話

八話
それから、私はハルアキくんに週2、3回のペースで係の仕事と称して借り出された。

頼まれるのは簡単なことばかりで、馬鹿な私でも分かった。

――本当は、私に手伝わせる必要なんてないんだって。

でも、ハルアキくんは「一人じゃ大変なんだよ」とか「他にも仕事がある」とか言って私を作業に付き合わせる。4年前にフってきたのは誰だってんだ。

やめてほしい。こんな、思わせぶりなことして。


……好きなわけじゃないのに、勘違いしそうになる。







梅雨が明け、徐々に蒸し暑くなってきた。

もう夏か、と窓から射し込む太陽の光を受けながら頭の片隅で思う。

「……だねー。あなた、一緒に行かない?」

「え?あ、ごめん聞いてなかった。何?」

「まじ?えっとね、もうすぐこの辺で祭りがあるじゃん。一緒に行かない?って話」

「あー……」

私は曖昧な声で返答を誤魔化した。

昔、ハルアキくんと毎年行ってた夏祭り。――4年前、ハルアキくんにフラれた夏祭り。

あれ以来、私はあの祭りにだけは行けていない。

「ごめん。ちょっと行けるかわかんない」

「そっかー了解。じゃああなたの分も楽しんでくるわ!」

にかっと笑う真帆を見ると心苦しくなって、うん、と暗い同調が小さく零れた。