それから、私はハルアキくんに週2、3回のペースで係の仕事と称して借り出された。
頼まれるのは簡単なことばかりで、馬鹿な私でも分かった。
――本当は、私に手伝わせる必要なんてないんだって。
でも、ハルアキくんは「一人じゃ大変なんだよ」とか「他にも仕事がある」とか言って私を作業に付き合わせる。4年前にフってきたのは誰だってんだ。
やめてほしい。こんな、思わせぶりなことして。
……好きなわけじゃないのに、勘違いしそうになる。
梅雨が明け、徐々に蒸し暑くなってきた。
もう夏か、と窓から射し込む太陽の光を受けながら頭の片隅で思う。
「……だねー。あなた、一緒に行かない?」
「え?あ、ごめん聞いてなかった。何?」
「まじ?えっとね、もうすぐこの辺で祭りがあるじゃん。一緒に行かない?って話」
「あー……」
私は曖昧な声で返答を誤魔化した。
昔、ハルアキくんと毎年行ってた夏祭り。――4年前、ハルアキくんにフラれた夏祭り。
あれ以来、私はあの祭りにだけは行けていない。
「ごめん。ちょっと行けるかわかんない」
「そっかー了解。じゃああなたの分も楽しんでくるわ!」
にかっと笑う真帆を見ると心苦しくなって、うん、と暗い同調が小さく零れた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!