6人が、ナイフの飛んできた方向を、
見ても、あるのは人だかり。
なぜナイフが…?
それより、あなたが…
正直、本当に大丈夫だった。
どんどん傷が、塞がっていってる。
見ていないけど、そんな気がする。
それより、もうここに6人がいてほしくなかった。
まだ、美桜達もいるかもしれない。
それに、こんなヤンキーと一緒に居たら…
実際、周りのスタッフは、
今、私を冷たい目で見ている。
私もこんな所に居たくない。
ザー☔
私は、そのまま路地裏の、
環奈の車に乗り込んだ。
この後、シェアハウスに着くまでの間、
一切口を開く者は居なく、
ずっと雨の音が鳴り響いていた。
その後あなたは、
大雨の中、スマホだけを持って、
ある場所に行った。
武楽の秘密基地であった、倉庫だ。
私は、倉庫で寝転んだ。
雨で、血は流れ、
もう既に跡形もない。
傷は、何故か一瞬で消えた。
もう傷口は分からないほどになっている。
傷もあっという間に、治ってしまうような、
そんな自分の体が、気持ち悪くて、
しょうがなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。