第9話

過去①
20
2024/01/22 08:00
ニーナ
(ああ、なんだこれ……)
ニーナ
(頭がぼんやりとする……)
ニーナ
(吐き気が……)
アレクシア
……ニーナ!
エリーゼ
あ、ニーナ、起きた?
目の前にある2人の顔を見て、私の意識は急速に覚醒した。
ニーナ
2人とも、許さん……!!!!!
寝かされていたベッド……いや、ソファーから起き上がり、エリーゼの胸倉をつかむ。
ニーナ
何なんだよあのクッキー!毒か!?
なんてものを食わせるんだよお前ら!!!!!
アレクシア
隣の部屋にグレーテルがいるからな。
大声をだすな、危険だぞ
ニーナ
アレクシア、お前……
グレーテル
あ、ニーナちゃん、起きたの?
ニーナ
グレーテルさん……
ドアを開けて、グレーテルが部屋に入ってきた。

それが十秒早かったら危なかった。

……目の前でにこやかに笑っているお前、殺すぞ?

なんてことは口に出せない。

私が逆に殺される。

ざけんな。あんまりだ。
グレーテル
ニーナちゃん、大丈夫?
私も原因はよく分からないんだけど、
お茶会の後にはこうなる子が多いのよね……
ニーナ
(それが原因だろ……!)
ここにいれば精神が擦り減られる。

早く帰ろう。
エリーゼ
大丈夫、私もこうなったことあるよー
アレクシア
……私も
ニーナ
2人とも……
……2人が少し、不憫に思えてきた。

2人の仲間になれば、私もこんなことに巻き込まれてしまうのだろう。

さあ、早く帰ろう。
ニーナ
クソ、なんでこんな組織が出来上がったんだよ……!!!!!
グレーテル
あら、聞きたい?
……やらかした。

これは、早く帰れないやつだ。

グレーテルのスイッチを押してしまった。
グレーテル
つい先程まで倒れてたんだから、もうちょい休んでな。
……その間、私がニーナちゃんに話をしてあげるから!
エリーゼ
マスター、私も聞く!
アレクシア
……私はもう3回くらい聞かされたんだけど
グレーテル
ねえ、皆でいると楽しいよね?
アレクシア
ああはい……
ニーナ
ああはい……
怖い。グレーテル怖い。

まあ、クッキーに含まれた毒がどういうものか分からないのだ。

休むべき、という言葉には一理ある。

つまり、早く帰れないということか。クソ。
グレーテル
ええ。私が暗殺者になったきっかけは……
エリーゼ
きっかけはー?
ニーナ
エリーゼも聞いたことないの?
エリーゼ
ないー
アレクシア
マジで?
グレーテル
でね、きっかけは……
一つ気が付いた。

グレーテルは、自分の話をとてもしたがるタイプの人間だ。

つまりウザい!!!!!
グレーテル
……親の手違いで、暗殺者養成高校に入学しちゃったの!
エリーゼ
へぇー
ニーナ
————はぁぁあああ!?!?!?
それは酷い。とても酷い。

どんな手違いがあったんだ。

親の代からおかしかったのか。

なんでだよ。

そして普通、「へぇー」で済ませる反応じゃない。

ざけんなエリーゼ!

そしてグレーテルの一族全員!!!!!
続く……

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