第7話

7.戻れない日常と
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2024/12/01 08:55 更新











京本「…おはよう」
誰もいない部屋に言葉を投げかけた。
この習慣が抜けなくて、自分でも言う度に胸が痛む。

すぐに俺はソファに無気力に座る。
ゆっくり、だけど「どすっ」と音がした。

北斗の遺書を見たって何かが変わったわけじゃないのに、ただ自殺だったってわかっただけなのに…。

京本「………ぁ……」

目の前の机の上の物に目がいく。

京本「……最悪なんだけど」
机の上には北斗のパスポート。
そういえば、一緒に旅行しようとか言ってたな、なんて……。



































もう、できるわけないのに。







なんて考えといて朝から胸が詰まる。

京本「……意味わかんない……」




気分転換に朝ご飯を用意しようと思っても食欲がもともとないから何も食べられない。

京本「…、」

北斗のパスポートを片手に固まる。
そしてそのままソファの上に投げつけた。
‐ピコンッ‐
京本「……なに……」
‐トークアプリ‐
樹
………は?
え、なに、「よ」って。
たいが
たいが
なんだよ
そう送るとすぐに返事が来る。
樹
おひさ
たいが
たいが
なんで急に連絡したの
樹
数分しても返事が来なくなった。
俺はため息を吐きながら、少し考えてこう打った。
たいが
たいが
北斗のことがあったから
たいが
たいが
だよね
また返事がこなくなった
京本「くそっ…、なんだよあいつ………」
今度はスマホをソファに投げつけた。
まだぼんやりしている頭で何をしようか考える。
あ、そうだ。朝ご飯を食べよう。
まず目を覚まそう。
キッチンに向かい、トースターの前に立つ。
ふと視線を斜め前に向ける。
京本「っ……」
なんで今さら……
コーヒーメーカーだ。
目に映ったのは。
同棲を始めてすぐ、2人で選んで買ったコーヒーメーカー。しかもちょっといいやつ。
体に電気が走ったような気がした。衝動的にコーヒーメーカーをつかんでいた。

あ、だめだ。抑えないと。
ぱっと目を離した。
そのまま拳に力を入れる。


北斗との思い出は、そこらへんに散らばっている。
自然と涙が流れる。
もう戻れない日常も、北斗との思い出も、全部全部込めて。
俺の喉はいつの間にか嗚咽を鳴らしていた。

そしてもう止まることのない悲しみを胸の中からあふれさせていた。
お久しぶりです。いろはすです。
沢山お気に入りのあるこの作品を放置していて「あー俺何やってんだろ」ってずっと思っており、更新できてなんか満足です(?)

しばらく小説の更新を停止していたのですが、時間もできましたし、本当に少しずつですが更新していこうかなと思います。

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これからも「水死体と息をする」をよろしくお願いいたします。

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