第4話

選択
18
2023/06/22 10:00
その少年は生と死の境にいた

生きてる時の記憶はないしここに来た記憶もない

遮断機の前で竿が上がるのを待っていた

頭に鐘の音がカンカンと鳴り響く

別にどこに行こうとしてるわけでもない

進む道がそこにしかないのだ

竿はずっと上がらない

時間も経っている気がしない

ずっと夕方のまま

少年はぼーっと突っ立っていた
少年
すると後ろから無数の手が少年を掴んだ

「行く…な…こっ…ちに…来い」
少年
わっ。なんだ…!この手は…!
少年は怖くなり。その手を払いのけ遮断機の中へと踏み出した。

両側から電車が少年に突っ込み少年は死んだ


これは少年の選択だ。

少年は自ら救いの手を振り解いたのだから。

これは少年の選択だ。

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