その少女は重い病気にかかっていた
治し方なんてものはない未知の病気
外に出たことなどなかった
それだから友達なんてできるわけなんてない
たった1人部屋でいるしかなかった
それだからか少女は生きる希望を失っていた
ふと夜の星空を見ようと窓の方に目をやると
見たこともない女の人が立っていた
立っているというよりは浮いていた
とても綺麗な人だった
初めは『可哀想』その言葉に腹が立った。
だが願いを一つだけ叶えてくれるその言葉にとても少女はとても心ひかれた
少女は少し考えた
そっか。私はもう少しで死ぬんだ
少女は少し暗い気持ちになった
でも願いを叶えてくれるなら___
少女は悩んだ
ずっと1人だったから友達が欲しい。でも読書が趣味だからたくさんの本も欲しい。
なんでもいいのなら病気を治すことも寿命を長くすることもできる…
何時間も妖精は少女が答えるのを待った
少女はもう何も答えない
こんな言葉をかけたって返事が返ってくることはもうないだろう
少女の体が腐っていくことに妖精はまだ気づいていなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!