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第2話

Everyone に含まれぬ者
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2022/04/27 12:28 更新
 入学してはや半年。私はまだ誰とも友人同士らしいことを話せていなかった。私は知らなかったのだが、入学前にLINEグループやインスタで先に繋がって仲良くなっていたらしい。前から作られた輪に入り込むのは、なかなか面倒な作業である。だから、入ることを諦めた。

不知火麗綺
不知火麗綺
あの、これ…。
クラスメイト
おーせんきゅ
 こんなか弱い少女のような声しか発することができない。もともとそうだった。
 文芸部同好会の先輩とはきちんと話が出来たけれど、そもそも人間が嫌いなのだ。ちゃんと話せるわけがない。誰にも虐げられていないだけマシだと思うしかない。
クラスメイト
もうすぐ体育祭でしょ。
終わったら打ち上げしない?
クラスメイト
いいね!やろうよ、みんなで。
クラスメイト
えー、誰誘うよ?
みんなっつったって、全員誘ったらやばいっしょ。
クラスメイト
あの根暗とかデブとか絶対いたら気分下がるよね。

 クラスの陽キャが何やら楽しそうに話していた。結局どこの学校も変わらない。結局愛奈がうじゃうじゃいるようなもんだ。
 私はきっと彼らに認知すらされていない。根暗とかデブとか言われてる方が羨ましい。しかし、この陽キャは賢いのか馬鹿なのか。本人の前では絶対にそう呼ばないし、聞こえないようにする。小狡いとでも言っておこうか。

 スクールカーストは結局どこへ行ってもついてくる。私は本を開いて、この長くはないが短くもない休み時間を潰そうとしていた。最近はホラー×ミステリーにハマっている。ちょっとサイコパスが混じってる程度の。
 もともと怖いものは苦手だが、ミステリーのゾクゾク感をよく引き出すので、最近ハマっている。ちなみに図書委員にはおそらく嫌われている。

 
 本にしばらく浸っていると、霧吹きのような音とともに人工的な甘い匂いが鼻腔を刺激し、思わず咳をした。陽キャの1人がバニラとフローラルの香水をしたらしい。
不知火麗綺
不知火麗綺
ごほっ…。
クラスメイト
お前の香水がくさいから、不知火咳したじゃねーかよ!
クラスメイト
あー、ごめんね!不知火さん!
クラスメイト
さすがにオキニの先生来るからって、香水降るのはヤバいって〜!
クラスメイト
いや、マジ匂いって大切だかんね!

 気にしないで、と言おうとしたがやめた。そもそも学校が悪いから、学校に謝ってもらいたい。香水は鼻腔どころか喉奥まで刺激してくる。喉のイガイガが止まらない。きっとうがいしても治らないし。このまま耐えよう。
 特に何も無い日々がいつまでも続いてくれればいい。私もクラスメイトも根暗とデブも。何も変わらなければ、何も起きないのだから。

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