第32話

31 、衝動
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2025/03/15 02:16 更新






現れたのは他でもないいふ 。


電話終わったんだ 。


どっ 、どうしよう!


よりにもよってこんなタイミングで 。


視界がぐるぐるしてくる 。


猫宮 いふ
お前らなんの話してんの
稲荷 ほとけ
えっとね 〜 !
稲荷 ほとけ
ないくんが初めての相手はいふくんがいいって言うから 〜
乾 ないこ
いむ!!




なにやら楽しげないむを


慌てて止めるも間に合わない 。


ああ 、もうだめだ 。


身の程知らずのバカだって罵られて終わりだ 。


ちょっと考えればわかることだったのに 。


__ 自分の気持ちなんて 、


大事にしてもやっぱり意味ないよ 。


目頭じわっと熱くなる 。


滲む涙に気づかれないようにうつむいた 。


ほらね 、たとえばこういうとき 、


前髪が長いと助かるんだもん … 。



猫宮 いふ
へえ
猫宮 いふ
そんで?
大神 りうら
もちろん無理だって言いましたよ ー 、初兎ちゃんが
大神 りうら
KINGを指名するとかわがまますぎだし 、大した度胸ですよね




ううぅ 、りうら 。


お願いだから傷口をえぐらないでほしい 。


恥ずかしい 、消えたい埋まりたい … っ 。


雷の中だって構わない 。


この部屋を飛び出そうかと本気で思ったときだった 。


猫宮 いふ
ないこ




背後からいふの声が飛んでくる 。


びくっとした 。


いったいどんな辛辣な言葉を


浴びせられるんだろうと 。


だけど 、続いて聞こえてきたのは 。


猫宮 いふ
俺の部屋来るか




予想よりもずっと優しい声だった 。


周りが息をのむ気配がして 、


俺はその場から張りついたみたいに動けない 。


いふは面倒くさがるでもなく 、


静かに近づいてくると 、俺の肩をそっと抱いて 。


猫宮 いふ
お前昔から神経太いよな




小さく笑いながら 、耳元で囁いた 。


びっくりして硬直しきってたはずなのに 、


いふに腕を引かれれば自然と足が動く 。


どこ 、行くんだろ 、


さっき「 俺の部屋来るか 」って


聞かれた気がするけど 。


ほ … 本当に?


身の程知らずなわがままを言ったのに怒らないの?


それとも怒ったから 、


制裁を加えようと部屋に誘ったの?


バクン 、バクン 。、

緊張ととまどいでめまいさえした 。


大神 りうら
ちょ … っと待ってよいふ
大神 りうら
本気!?いくら中学同じクラスだったからって 、
稲荷 ほとけ
りうちゃん 、し ー っ
稲荷 ほとけ
KINGの行動に 、口出しは厳禁だよ




りうらをたしなめたあと 、


いむは「 あ 、そうだ 」


となにかを思い出したようにこちらを見て 。


稲荷 ほとけ
はい 、いふくん
稲荷 ほとけ
これ頼まれてた薬
稲荷 ほとけ
2錠飲んでね
稲荷 ほとけ
丹精込めてつくったんた '' 傷 '' によく効くように




いふは少し間をおいて 、


悪いな 、つぶやいた 。


小さな紙袋を受け取ったいふの表情が 、


一瞬だけ 、切なく歪んだように見えた 。







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