第56話

荒覇吐事件〜蘭堂さんの話2〜
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2025/06/01 14:10 更新
太宰治
太宰治
面白くなってきた
太宰治
太宰治
詳しく話してよ蘭堂さん
蘭堂
蘭堂
ああ…
蘭堂
蘭堂
あれは擂鉢街のほぼ中心で起きた

我々は『羊』の武装少年達と戦っていた
その日仕掛けたのは我々の方からであったが 元は二日前『羊』がマフィア構成員が乗った飛行機を落としたからであり そして飛行機を落としたのは先週に我々マフィアが『羊』の倉庫を襲撃したからでありその原因は『羊』が先月───
まあ そんな風でどちらが原因かなど誰も記憶していない闇社会映画ノワールえいがと違って明確な善悪の因果があることは我々の世界には殆どない
蘭堂
蘭堂
ちょうどその抗争に向かう途中だった
いきなり黒い爆風に我々全員が吹き飛ばされたのは
先程私の屋敷を吹き飛ばした『GSS』の爆発など
あれに比べれば 赤子のくしゃみのようなものだ
大事な部下は 皆 復帰不可能
異能によって亜空間を展開していたため、
私だけ どうにか生き残った
それは
そこにあった世界は

少なくともこの世ではなかった
黒い炎 沸騰する大地、家屋はたちまち融解し、空気は燃え尽き、電柱は倒れるよりも早く灰となった
あえて形容するならば───
それは地獄であった。何百年も、前の作家が想像で描いた奈落の底の風景であった
その奈落の中心に そいつはいた
先代ではない 全く似つかない姿であった。そいつは人間ですらなかった
黒き獣だった
四足歩行の獣
煉獄から噴き出したかのような炎を全身に纏っておった
間違いなく云えるのは そこには悪意なく 怒りもなかった
私はこの現象を合理的に説明できる何かを求めて周囲を見た
これは敵の異能かもしれぬ
今思えばあれ程の熱量を1人の異能者に出せる筈がないのだがその時は他に仮説の立てようがなかった
だが、異能者どころか風景すら存在しなかった
地上のあらゆるものが高熱で揺らめいていた
蘭堂
蘭堂
ただ 横浜の海が、遠くに眺める海だけが静かに凪いでいたのを妙に覚えている
蘭堂
蘭堂
次の瞬間内蔵に溶けた鉛が撃たれたような感覚に襲われた
蘭堂
蘭堂
亜空間にヒビが入ったのだ。銃火であろうと刀剣であろうと雷霆 光線 音圧であろうと空間が異なる場合それを飛び越えることは決してない
右手の小説に書かれた主人公が左手の小説の悪役を倒せぬのと同じ
そもそも次元ジモンシオンが違うのだ
蘭堂
蘭堂
だが、獣はそれをやってのけた
蘭堂
蘭堂
物理法則を超えて来たのだ。ならばその獣は神か悪魔か───
蘭堂
蘭堂
そこからは覚えていない
蘭堂
蘭堂
どうにか救出されこうして生きているのはまったくの幸運でしかない
蘭堂
蘭堂
あれが神だと云うなら私はそれを信じる
蘭堂
蘭堂
火山に殺意は無い颱風にも落雷にも津波にも殺意は無い。だが大勢の人を一瞬で殺す。あの獣はそういったものだ
そのような存在をこの国では『神』と呼ぶ

蘭堂
蘭堂
すまない。君達は先代の復活を『荒覇吐』の力でなく、敵異能者による、偽造であると証明したかったのだろう
蘭堂
蘭堂
だが
蘭堂
蘭堂
今の話を森殿に報告すればむしろ『荒覇吐』という神の実在が現実味を帯びたと森殿は感じる筈
蘭堂
蘭堂
君たちの調査が無駄足になるやも
あなたの偽名(文スト用)・治
いや
あなたの偽名(文スト用)・治
なかなかに興味深い話だったよ。今の話で全部判った
中原中也
中原中也
…?
中原中也
中原中也
は?
太宰治
太宰治
だから
夜空(なまえ:偽名(文スト用))
夜空あなたの偽名(文スト用)
今のでトリックと真犯人がわかったんだよ
あなたの偽名(文スト用)・治
事件解決だ

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