目の確認と同じように、心配している素振りをしてぶるーくの耳がちゃんと変わっているか確認する。
...そっと耳に触れてみると、撫でている時にこっそり触っていた時よりも固く、柔らかくなくなっていた。
少し残念だが、まぁ、仕方ない。
俺はヘッドホンを拾って、もう一度付ける。
ぶるーくは、既に俺らの言葉は全部分かる。だけど、ヘッドホンのおかげで言語が分かることにしないと、体の変化に気づかれてしまうかもしれない、から。
...この言語を聞いて何か思い出してくれないかな、と少しだけ期待したけど...。
全くそんな素振りは見せないから、期待した俺が馬鹿だった。
もう熟知しているぶるーくにどう言語を、というか俺の言語を教えるってよく分からなくて、つい苦笑いをしてしまった。
だが、俺の事を知ろうとしてくれているぶるーくが愛おしくて、じっと見てしまう。
まじか、喋れるのか...!!??
俺に生きる意味があったのは、君の存在のおかげ、だから。
ぶるーくは、それから俺の言ったことを何としてでも理解したいのか。
そう話していると、急に目の前にシャークんが現れた。
シャークんを見た瞬間、ぶるーくは俺の後ろに隠れてしまった。
..あぁ、そうか...。裏切り者達のせいで、シャークんまでも怯えるようになっちゃったのか、ぶるーくは。
でも大丈夫だよ、という気持ちを込めて、ぶるーくの頭を撫でてから、指を指して教えてあげた。
そう言うと、シャークんは少し考え込んでから、ぶるーくの方を見た。
そして左手を差し出して、慣れない日本語で話し出した。
...俺は、シャークんとぶるーくが話している傍で、小声で俺は作戦の確認をしていた。
地球の人間には聞こえない発声方法を使って。
日本語を使い続けることは全く苦ではないが、ついついそのまま仲間たちに喋りかけることがあって、少し厄介だ。
...まぁそれ程に、俺のぶるーくの優先度が圧倒的だと言うことが自分でも分かって、自惚れてしまう。
...あぁ、つい話し過ぎてしまった。
あの二人は今何を話しているんだろうか...?
シャークん。いくら俺の妻だと分かっていても。流石にぶるーくが困る質問は辞めて欲しい。
.....万が一好きでもないとか言われたら俺何しでかすか分かんないのに...
そういった気持ちから、シャークんをつい睨んでしまう。
...優しさだったのか、可愛い奴...
だーけーど。
そう俺が言い切る前に、ぶるーくは偽りの無い笑顔で答えてくれた。
シャークんは顎に手を当てて柔らかく笑った。
...俺も、心から安心したよ。
そして俺らは、シャークんが見えなくなるまで手を振り続けた。
...そして、見えなくなった途端、さっきまでガチガチに固まっていた反動みたいなのが襲ってきて、俺はつい大きなため息をついてしまった。
そして、照れたような、こんな情けない顔を見せたくなくて、俺は蹲った。
.....













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。