第7話

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2023/12/14 14:23
ガチャ
翔空
おねぇちゃーーーん!!!!!!
あなた
へ...んぁ
翔空
ねぼけてないでいくよ〜!!!!
あぁお出かけだったか
あなた
(あー今日が命日だとかワロタ)
もう何年も喋ってないお母さん達とどう会えばいいんだ
あなた
(ははは 神様たちゅけてー)
翔空
おねぇーちゃん!!いーくーよ!!!!
あなた
はいはい...
重い体を起き上がらせて洗面台に行けずに髪を整えてバックを持つ
Tシャツにスカート
膝下の靴下に黒のフード付き上着
あなた
(殺されませんように殺されませんように殺されませんように殺されませんように)
心拍数が上がるのを実感しながら部屋を出た
お母さん
しょうろー行くわよー
お父さん
今日は楽しもうな!!
翔空
うんっ!
翔空
行くよおねぇちゃん!!
あなた
(うぅ"...)
最後の1段
足をつけるのが怖い
あなた
(何も言わないでください...!)
顔を上げた瞬間
お母さん
...
お母さんと目が合った













お母さん
しょうろぬいぐるみってそれ?
翔空
翔空
うん!
あなた
(わかってねぇだろとあこの野郎)
お父さん
...はぁ、
お母さん
いいぬいぐるみね、大切にしなさいね
翔空
うん!!!いこう!
あなた
(ぬいぐるみ、か)
何も言われなくて安心した気持ちと
目も合わない現実が少し痛かったり
あなた
(好都合だからどうでもいいや)
翔空
いこ!おねぇちゃん!
あなた
...とあ、お母さんの前ではお姉ちゃんじゃなくて...クマって呼んで
翔空
くま...?
翔空
わかった!行こうくまちゃん!
あなた
...まいいか
とあは私の手を握って引っ張った
車に乗ってとあは私の膝上に座った
あなた
...えなんで横に座んないの
翔空
くまちゃんのお膝がいい!
あなた
はぁ...?
翔空
ぎゅってしてぎゅぅーって!
あなた
はいはい...
とあをバックハグするかのようにぎゅっとハグをした
お母さん
行こっか〜!
お父さん
楽しみだな!!
翔空
うん!しゅっぱつしんこうー!!!
無心で眺める空はいつもより暗く見えた
お母さん
今日はなんとキャンプをするのよー!!!
翔空
きゃんぷ!!!???
お父さん
ははww
翔空
で、でもぼくあまりあそんじゃ、
お母さん
確かにしょうろは体が弱いかもだけどキャンプははしゃぐよりもゆったりしてリラックスするのよ
キャンプか、行ったことなかったな
お父さん
それに森の空気は美味しいんだぞ
翔空
くうきがおいしい?
長時間にも渡る平和な家族との会話
無心で外を眺めるぬいぐるみの私
少し虚しく感じた
ガタッ
翔空
わっ!?
お母さん
きゃっ!?ちょっと大丈夫!?
お父さん
山道だからな...
お母さん
しょうろは体が弱いんだから気をつけなさいよ!
お父さん
すまんって、
ダダダダダダダダダダ
あなた
(何?なんか音が...)
翔空
ぼくだいじょうぶだよ!
お母さん
何かあったら直ぐに言いなさいね
翔空
うん!
あなた
(気づいてないの?)
ダダダダダダダダダ
お父さん
やっぱり揺れるな...ルートは合ってるよな?
お母さん
えぇ、あってるわよ
あなた
(違う)
あなた
(道が凸凹なんじゃない)
ダダダダダダダダダ
あなた
(近くなった…!)
あなた
(気づいて!!!お願い!)
音が鳴る方を見れば


映ったのは














大きな土だった











ガシャンッッ










地震のような揺れと共に浮遊感が襲った




お母さん
きゃっ!!!???なに!!!?
翔空
ままぁ!?!
あなた
とあ!
お父さん
やばいっ!!!崖から落ちるぞ!!!!
回転した車は走っていた道を外れて崖から落ちた
あなた
う"ッ...
お母さん
しょうろ!!!!
お父さん
しょうろ!!!
翔空
ぁ...?
浮遊感に襲われた私達は座席から浮いて強い重力に押し潰される










あれ




















1人だ





目の前には助っ席に乗ったお母さんがとあを抱えて守ろうとする姿


更にその2人を守ろうとするお父さん








私は





















同じ車の中にいるのに









1人










無抵抗に














落ちて行った気分だった

















ガシャンッッ
グシャッッ





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