第43話

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2024/04/24 12:49
回想

あなたside
(なまえ)
あなた
夫としての教育を受け直したい?
突然蓮がそう言ってきた
蓮
はい。だめ、でしょうか……
(なまえ)
あなた
……
正直、不安な事ばかり。

蓮はまだ私達以外の人に慣れていないし、無理をしてしまうがある。


もちろん、蓮なりに一生懸命考えて伝えてくれたんだろうけど……



想像以上の負荷となって日常生活に支障をきたすかもしれない。
(なまえ)
あなた
だめという訳でもないけど……どうしてもなの?
蓮
はい、どうしても。
先生は自分で探しますし、あなた様には迷惑はかけませんから……お願いします
深々と頭を下げる蓮を見ると、思わずため息をついてしまった
(なまえ)
あなた
はぁ……相変わらず、頭を下げてばかりね。蓮は。
何も焦る必要は無いのよ?
そう言い蓮の頭に手を置いた。
蓮
……っ
蓮は急に顔が赤くなった。
(なまえ)
あなた
蓮?大丈夫?熱でもありそうな顔色だけど
蓮
え、こ、これは、あの、その
うろたえ、口をぱくぱく動かす蓮を見て、つい笑ってしまった。
蓮
あなた様……
(なまえ)
あなた
ごめんなさい?そんな目で見ないでちょうだい。
……まぁ、いいわ。教師ができる人間に心当たりがあるから、呼ぶ。
連絡してここに来させるわ
蓮
えっ
?何がおかしいの?





……あぁ、多分私が「来させる」と言ったことかしら……
(なまえ)
あなた
……遠慮ならいらないわ。暇人を有効活用するだけだから
蓮
暇人───?
現在

蓮side
蓮
(まさかあなた様の兄が来るとは……)
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
どうせあなたはろくに話もしないだろう?
蓮
い、いえ……
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
大丈夫。俺が責任をもって、いい夫に育ててやる!
にこやかに宣言し、葉弥は拳を握った。
話が落ち着いてきた所で、お茶を出した。

ゆり江は知らぬ間に退散していたから、今は3人だけ。
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
さて、本題に入るけど、蓮はお勉強をしたいんだよね?
蓮
は、はいっ
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
一応、俺はある程度の学校も出ているし、幼い頃からそれこそたくさん習い事をして、基本くらいなら教えてあげられるけど……嫌じゃないか?

葉弥は少し不安そうに眉を下げる。




蓮
(嫌……?)
ちらりとあなたの方を見たが、少し離れたところからこちらを見ていた。


口を出すつもりは無いらしい。
蓮
嫌じゃないです。……あの、どうして
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
俺、1回結婚に失敗してるんだよ




あぁ、そういう事か。


無神経なことを聞いてしまった。
蓮
そのようなことは……気にしていません
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
そう?嫌じゃないか?
蓮
はい
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
よかった!!!
ぱぁ、と顔が明るくなる。
葉弥はその勢いで蓮に抱きついていた。
蓮
え!?あ、あの
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
もう!なんていい子!あなた、蓮を、持ち帰ってもいいか?
(なまえ)
あなた
ダメに決まっているでしょう
あなたは憮然ぶぜんとした表情で腕を組んでいる。
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
ケチだなぁ。お持ち帰りしてみっちり勉強した方が、蓮の力になるかもしれないぞ?
(なまえ)
あなた
……ダメよ
久堂 葉弥(はや)
久堂 葉弥(はや)
そうだよなぁ。俺が蓮を連れて行っちゃったら、お前が寂しくなっちゃうもんなぁ
兄の容赦ないからかいに、ぐ、っと詰まる妹。

悔しげに眉間に皺を寄せながらも、きっと満更でもないのだろうと感じられる彼女の姿は珍しく、

微笑ましい

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