回想
あなたside
突然蓮がそう言ってきた
正直、不安な事ばかり。
蓮はまだ私達以外の人に慣れていないし、無理をしてしまう癖がある。
もちろん、蓮なりに一生懸命考えて伝えてくれたんだろうけど……
想像以上の負荷となって日常生活に支障をきたすかもしれない。
深々と頭を下げる蓮を見ると、思わずため息をついてしまった
そう言い蓮の頭に手を置いた。
蓮は急に顔が赤くなった。
うろたえ、口をぱくぱく動かす蓮を見て、つい笑ってしまった。
?何がおかしいの?
……あぁ、多分私が「来させる」と言ったことかしら……
現在
蓮side
にこやかに宣言し、葉弥は拳を握った。
話が落ち着いてきた所で、お茶を出した。
ゆり江は知らぬ間に退散していたから、今は3人だけ。
葉弥は少し不安そうに眉を下げる。
ちらりとあなたの方を見たが、少し離れたところからこちらを見ていた。
口を出すつもりは無いらしい。
あぁ、そういう事か。
無神経なことを聞いてしまった。
ぱぁ、と顔が明るくなる。
葉弥はその勢いで蓮に抱きついていた。
あなたは憮然とした表情で腕を組んでいる。
兄の容赦ないからかいに、ぐ、っと詰まる妹。
悔しげに眉間に皺を寄せながらも、きっと満更でもないのだろうと感じられる彼女の姿は珍しく、
微笑ましい
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!