私が言うと、前を向いたまま同意する3人。
白いワンピースに、薄めの灰色の服を羽織るようにするアリスは、左肩に掛けたバッグの長い紐を握りながら私の前を歩いている。
大人っぽい奴だとは思っていたけど、ここまで大人っぽい雰囲気を出されると1人だけ年上の姉なんじゃないかと疑いたくなる。
霊夢は霊夢でピンクのシャツに赤チェックのスカート。そして黒い上着と、だいぶロックな雰囲気の服装。
上着についてるフードには、猫の耳のような形が少しついている。もし被ったとしたら、飼い猫みたいだなぁ、とか想像していると、
そう私が言うと、霊夢以外は頷き、アリスは霊夢の袖を引っ張ってお店の中へ行ってしまった。
追いかけるように私と妖夢が入っていくと、私は、お店の雰囲気に驚いた。
普通のお店という、一般的な外見とは裏腹に、ロックなスペース、大人っぽいスペースなど、お店の中が幾つかの雰囲気に分断されているのだ。
そう言って、いつも以上の元気で霊夢を連れていくアリスのテンションが上がっている要因は、きっと妖夢という新しい友達と、そして私らと遊ぶのが久々だから、と言うのも含まれている。
そう考えた時、私と妖夢はお互い笑いながら、霊夢とアリスの後をついていくのだ。
そう言っているのに、渋々と試着室に入っていく霊夢の優しさったらないぜ。
数分して、出てきた霊夢は………
私が驚いていると、まるで仕組んだかのように後ろから妖夢が押してきた。
(実際はクレープを食べている訳ではありません)
だから、きっとこの恥ずかしさも、嬉しさも!
きっと全部全部、仕組まれてたんだ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!