声が聴こえた
おかしなことに、体のどこを見ても傷一つなかった
現在の状況に頭が混乱する
聴き馴染のある声で我に返った
その瞬間、もるでおの手から黒い煙が吹き上がり爆発した
空高く舞い上がるその煙は、だんだんと悍ましい怪物の形へと変わっていく
その姿は全身真っ黒の巨大な猛獣だった
金色の瞳がギラリと光り、鋭く太い爪が俺目掛けて振り下ろされる
ガッッッ
間一髪避けたものの、その爪に捕らわれ身動きがとれなくなってしまった
もるでおは、見たこともないような鋭い目つきで俺を睨んできた
するとゆとりはどこからか棒を取り出し、猛獣に向けた
途端に猛獣はみるみる小さくなっていき、子猫サイズへと姿が変わる
俺は見たこともない数々の光景に目が点になっていた
ここにいるゆとり達は本当に俺のこと知らないのかな……?
もしかして……別人?
辺り一面には広大な草原が広がっており、遠くの方には町が見える
明らかに、日本ではないことは確かだ
そしてゆとりももるでおも見たことがない不思議な格好をしていた
2人は顔を見合わせた
もるでおの手から、再び黒い煙が立ち上る
今度は大きな翼をもった猛獣が姿を現した
そしてゆとりは地面に置いていたホウキを手に取り跨る
その様子はまるで、魔法使いのようだった
ビュンッッッ
ゆとりを乗せたホウキは勢いよく大空へと舞い上がった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。