避けられるのもからかわれるのも、小さい頃から既に慣れていた
だから何を言われても悲しくなかったし、どんなに殴られても痛みなんて感じない
それが俺の日常だった
パシャッ…パシャ
パシャッ…ピシャッ
いつものように町の水道へ水を汲みに行くと、そこには既に先客がいるようだった
パシャッ…パシャパシャッ
ドンッ
ドサッ…
バシャッ…
タッタッタッタッタッタッ
あ〜あ、この服やっと乾いたのに…
家畜桶の水…洗っても匂い落ちないんだよなぁ
地面に落ちたバケツを拾い、立ち上がろうとした瞬間、突然頭上から声が聞こえた
木の上に座っているその少年は懐から枝のようなものを取り出すと、走り逃げている子供目掛けてヒュッと一振りした
ヒュッ!
フワァッ…
ビュッ!
ベチョッ…
スタッ…スタスタッ
グイッ…グイーッ
なんだか不思議な人だな…
ゴシッゴシッゴシゴシッゴシッ🫧
パシャッ…
チョキッ…
- ̗̀🤝🏻 ̖́-
やっぱりこの人は不思議だ…
その日からゆとりは毎日俺に付いてくるようになった
たくさん喋りかけてきては魔法を見せてきたり、ちょっかいを掛けてきたり…
時には、町の人達から俺を守ってくれたりもした
もちろん俺はそれが迷惑だとこれっぽっちも思っていない
だけど…ゆとりのそんな行動が俺は不思議で不思議でたまらなかったんだ
ドコッ
ボコッ…ドスッ
ガシッ…ドゴッ…ドスドスッ…
ゴロゴロ…ドッカーン!!
ドッカーン!バリバリッ!ドカーンッ!
ダッダッダッダッダッダッ
タッタッタッ…
ギュゥゥゥゥゥ
避けられるのもからかわれるのも、小さい頃から既に慣れていた
だから何を言われても悲しくなかったし、どんなに殴られても痛みなんて感じない
でも本当は…自分に言い聞かせていたんだ
痛いと思えば体中が痛くなるし、悲しいと思えば涙が枯れるほど泣きたくなる
苦しいと思えば自分の生きる理由がわからなくなって憎いと思えば全て壊したくなる
だから俺は自分の感情を殺した
何も感じちゃいけない、何も思っちゃいけない
自分が苦しくなるだけだから
けど、ゆとりという存在に出会って新しい感情が俺の中に入り込んできた
楽しくて嬉しくて面白くて温かいなにか…
抑え込まないといけないのに、なぜかそれだけは手放したくなくて
全て吐き出しても許してくれる気がした
サスッサスッサスッサスッ
ギュゥゥゥゥゥ…
ありがとうゆとり、俺はもう大丈夫
お前といれば怖いものなんて何も無いから。
ゆとり過去編に続く…












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。