10月30日(水) 8:52
修理屋conjure。週2回のみ依頼受付中。これまた表向きの理由は研究なのだけど、時々体調の心配をされてしまう。
「拳は、魔法使いになるな。」
「魔法使いになっても、幸せになれるか分からない」
壊れたぬいぐるみを、修理屋の人が直してくれて。
魔法使いが主役のドラマはめちゃくちゃかっこよくて。
何より、元魔法使いで、魔法の話を楽しそうにしてる父が好きで。
絶対に諦めたり、辞めたりするな。」
温かい。いつの間にか、隣に座って河村が肩を抱いてくれていた。
そして、静かに顎を引き寄せられ、口付けを交わす。
9:29
そう息切れ気味に、依頼主は駆け込んできた。
手渡されたのは、アルミか何か金属でできた小さなカップ。
……がぐにゃり と潰れたもの。
「問~明日のおやつプリンがいい」
国王専属の料理人、その中でもおやつ担当の東問。想像通り、代筆者の東言と一緒に国王の⬛︎⬛︎に振り回されているようだ。
息を吸い込もうとして噎せた。
悔しいな、や~っと魔法使いになれたのにな。
透き通る海のような水色の煙。
ころん と、新品同様のカップが姿を表した。
急ぎ足に、国王のプリンを作るため帰っていった。
振り返ると、手に小さな包みを持った河村が。
いつの間にか姿を消して、いつの間にかどこかへふらり。そしてまたいつの間にか帰ってくる。
猫みたいに気まぐれで、不思議な人。
半同棲生活を過ごす最近。久しぶりにあのバーへ行きたいなとも思ったり。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。