11月19日(火) 9:50
少し前は仕事のうちだと思ってたキス。でも今は、大好きな時間になっている。
魔法を使うことに加えて、キスも寿命を減らすことに繋がるらしい。
軽くハグをして、
ふらり と出かけて行った。
どうやら今日は昼間からバーを開けるらしい。
9:59
修理屋conjure。少し前までは出張修理なんかもしていた。
彼伊沢拓司は国王。といっても、昔にクイズ大会で出会った彼とは普通に仲の良い友人で、その時は国王じゃなかったし、ましてや次期国王だとも知らなかった。身分が高いことすら知らなかった。
こいつに振り回される双子は大変なんだろうな…
カウンターに置かれた小さな箱。中には粉々になったマグカップが入っていた。
向けられたスマホの画面を見てみると、確かに綺麗なグラデーションのマグカップ。
修理する上で、完成系をイメージすることが大切なのだ。
最近体力無くなったな。少し歩くだけで疲れる。
咳き込まないように、
かつめいっぱいに。
真っ赤な煙がぼわっ と。写真通りの、綺麗なマグカップが現れた。
気まぐれだけど、頭が良くて、頑張り屋で、何かと尊敬出来る。
国王になってからクイズ大会に出れないのか、めっきり大会で会わなくなって寂しくもある。
外へ出た彼は、多分付き人と話していた。
……オレンジジュース買いに行こうかな。ついでに今日の晩御飯の材料も買っとこう。河村と最近おでんの話したからおでんにしよう。
昨日自殺を止めてきた小学生に勉強を教えてと頼まれた。
しかしその小学生は______
満点。満点か、98点だとかしかない。
教えることなんてないじゃないか。
高いはずの90点が、この中だと低く見えた。
そのテストは
僕の大好きな理科、それも天体だった。
言葉がひとつ書けなくてマイナス3点。選択問題を1つ間違えて2点。そして、
さらさらと、テスト用紙の端っこに書いてみた。
昼間から開けたバーには1人。仕事が忙しく、この時間しか空いてなかったようだ。
《お直しカルテ》━━━━━━━━━━━━━━━
XXXX年 11月 25日 月曜日 14:06/14:39完了
件名[ 電卓の修理 ]
依頼者氏名[ ??? ]
備考《 修理屋のメリットは様々 》











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。