学校が終わりヨンボギと別れ、帰りのバスに乗る。
イヤホンを耳にさしてバスに揺られながら、目的のバス停まで目を瞑る。
大好きな歌手の、大好きな曲がちょうど流れてきて心の中でテンションが上がった。
バスが停まる。
バス停から家までは徒歩5分くらいで、大通りを少し歩いて細道に入ったらすぐに家に着く。
今日もいつものようにバスから降りる。
そのときたまたま流れてきた音楽。
それは、ハニが動画サイトにアップしていた、僕が初めてハニを知った曲だった。
少し懐かしく、それに改めて聴くとハニらしくもあるメロディーは、最後まで聴きたいと思わせるには十分だった。
そしていつもは外すイヤホンを、今日はさしたままバスを降り、歩き出した。
耳に直接響く心地良いメロディ、は
時に、大切なことを遮断してしまう。
mob
「あの車…、なんか様子おかしくない?」
mob
「確かに、なんか、、ふらふらしてる?スピードも速くない?」
mob
「え、ちょっとまって、、やばいって、歩道来てない?」
mob
「えっ、、、まって!?そっち人いるって!!!危ない!!!危ないって!!!!!」
明らかにいつもと様子が違うことを察した僕は、イヤホンを外して辺りを見回す。
mob
「危ないっ!!!!!!!」
mob
「いやぁぁぁっっ!!!!!!!」
後ろを振り向くと、迫り来る黒い車。
あ、これ、やばいやつだ。
そう分かっても、人間の体はそう素早く動けないもので。
周りの声がやっと鼓膜に届いて、耳をつんざく様な悲鳴が鳴り響く。
体は動かないのに、視界はやけにゆっくりで
スローモーションで再生されるビデオのようだった。
…死にたくない、
ドンッ












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。