スンミニだ。
間違いない。
ジョンインさんと並んで、少しだけスンミニの方が背が高い。
広い肩幅はTシャツを着こなしている。
口に出して、止まる。
スンミニは、ジョンインさんと楽しげに話しているようだった。
手話、で。
どうしよう。声をかけようか。
でも、また拒絶されたら……
いや、でも………
考えた末、俺の足は2人の元へ駆け出していた。
トントン、と肩を叩く。
すごく驚いたように振り向いたスンミニを見て、あぁ、配慮が足りなかった、なんて考える。
スンミニは、俺の顔を見るなり、心底会いたくなかったように顔を歪ませた。
何を言っているのかは分からないけど、踵を返したスンミニの腕を引っ張って止める。
ほら、と言うようにさっきと同じようにスマホを差し出したジョンインさん。
渋々それを受け取ったスンミニは、俺に向き直った。
なんで、急に連絡が途絶えたのか。
なんで、あの日あの部屋にいたのか。
なんで、……こんなところにいるのか。
色々考えて、指が止まる。
音楽は、もうやめてしまったのか。
それが、俺の一番聞きたいことだった。
そんな言い草っ、……
思わず顔を上げると、顔をぐしゃりと歪ませ、俯いているスンミニがいた。
ジョンインさんとヒョンジニは何が起こってるのか分からず、困惑してる。
俺は、それ以上どんな言葉を紡げばいいのか分からなくなってしまって
スマホに入力する手は、完全に止まってしまった。
そう打ち込んで、目の前に掲げて見せられる。
俺が何も言えずに立ち止まっていると、オロオロするジョンインさんを引っ張ってスンミニは行ってしまった。
それ以降、ヒョンジニが深く聞いてくることは無かった。
帰り道、なんとなく何も言葉を発せなくて、最後まで無言だったけど
ヒョンジニは何も言わず隣を歩いてくれていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。