「…ねぇジェス?起きてる?」
抱きしめている愛しい彼が問いかけてきた
すこし意地悪をしてやろう!と寝たふりする
こーちは俺が寝てると思ったのか顔の方に近づいてくる
このドキドキ音バレてないかな…
「Zzzzz」
わざとらしくいびきをかいた
冷や汗も出てきたよ!
「ほんとこんな奴と付き合ってるなんて実感湧かねぇわ…」
ふふっと笑う声が聞こえて
なんだか俺まで照れくさくなる
そっと華奢な手が頬に触れ
「俺なんかがジェシーと一緒にいて良いのかな」
飛び起きそうになるのを必死に抑える
どうしてそんなふうに言えるんだろう
俺の愛が足りてないのかななんて考えていたら
「こいつ子ども3人欲しいとか言ってたしなぁ…」
ポツリと呟いた。
また俺の一言で髙地を傷つけていたんだ
ほんと俺ってバカだな…
こんなので
本当に幸せにしてあげることが
できるのかな
「…愛してるよジェス」
髙地は悲しそうに言った
頬にキスをして背を向ける髙地に対して
耳元でそっと囁く
「俺も愛してる」
「へっ?」
今はこれだけしかできない
「寝言、か?」
髙地を絶対に幸せにしてみせる
少し抱きしめる手を強くした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。