第121話

1月5日 東京体育館
747
2021/02/20 19:12
奈緒「うっわ〜…。やっぱり人多いね……」








1月5日____________





____________東京体育館








流石、春高……バレーボール甲子園と呼ばれるだけあって、人混みが凄い





体育館の周りには選手達が乗って来たバスが並んでいたり各校の名前が入った幟旗が立てられていたりして、それを見ているだけで私の気持ちも昂ってくる





そして、何より……目の前のビッグバボちゃん!!!



TVで何度も観たことがあるキャラクターにテンションが上がる!!!








奈緒「あなた写真撮って〜!ってか、一緒に撮ろう」


あなた「うん!」



テンションが上がるままに、バボちゃんをバックにスマホで写真を撮る








って、こんな事してる場合じゃなかった……



 

あなた「奈緒そろそろ行こっか」





人混みの流れに乗って、メインアリーナへ向かう








「お待たせ致しました。只今より春の高校バレー、全日本バレーボール高等学校選手権大会開会式を……」





入り口の階段手前で、開会式を開始する旨のアナウンスが会場内から聞こえてくる





あなた「奈緒、急ごう!」



奈緒と共に人混みを掻き分けながら、階段を上る








あなた「えぇ〜っと……」


2階席へ辿り着いたところで、まずは烏野の応援チームを探す



それらしい集団は見当たらない





奈緒「……まだ来てないのかな?」





確か烏野町内会の皆は、今朝宮城を出発したはずだ





取り敢えず空いてる席を見つけて座る








うわぁ〜。天井高い……眩しい!





席に座り、アリーナ内をグルリと見回す








「宮城県代表、男子烏野高校……」
奈緒「あ、来たよ!」



奈緒の声に、視線をコートへと下ろす





各都道府県の代表校が順番に呼ばれて、ブラスバンドの音楽に合わせて入場してくる





プラカードを掲げて緊張の面持ちの大地に続いて、烏野の皆が入場してきた





行進している一人一人の様子を眺める



やっぱり緊張してるよね……





大地、スガくん、東峰くんは見るからにガチガチに緊張している



……なんか一年生の方が落ち着いて見える?



影山くん、月島くんは普段通り。というか、無表情。日向くんはワクワクしているような…頬が緩んで、綻ぶのを耐えているような顔をしている





流石、ユース候補と擬似ユース。そして、その合宿に乗り込んだだけあって、……大物感あるわ








代表校の名前は都道府県順に北海道から呼ばれている





烏野が入場して暫くすると音駒も呼ばれた。クロがプラカードを持って入場してくる


 
う〜ん…。クロも表情が固い。研磨はいつも通りかな



研磨はこういう雰囲気に呑まれたりしないもんね。むしろ人混みが嫌とか、そういう事にストレス感じるもんね……



で、こっちも後輩と思われる列の後ろにいる選手の方が表情が落ち着いている。背が高い11番くんとGWの練習試合で変人速攻に追いついてきた選手はニコニコしながら行進している











開会式が終わると、第一試合、第二試合のチームがコート練習を始めた。他のチームは一気に散ってしまって、烏野の皆も何処へ行ったのか見失ってしまった





奈緒「ウチの試合はいつ?」


あなた「ん〜っとね…」


パンフレットをパラパラと捲りながら、今日の試合を確認する



烏野は第三試合。多分それまで何処かでアップをするんだろう








あなた「あ、嶋田さん!」


烏野の試合で毎回見かける嶋田マートのお兄さんを見つけた





嶋田「……あ〜。君達、烏野の……」


あなた「生徒です。応援に来ました」


私の声に気付いて嶋田さんが近付いて来てくれた。ペコリと頭を下げながら立ち上がる



あなた「町内会の皆さんは何処ですか?応援席があったら、ぜひ一緒に応援させてもらいたいんですけど」


嶋田「あ、まだ町内会メンバーは来てないんだ。試合経過を報告してから俺が迎えに行く事になってて」



嶋田さんも落ち着かないのか、しきりにコートの様子をチラチラ見ている



嶋田「あ、じゃあさ。町内会の皆が来たら連絡するよ。滝ノ上もまだ着いてなくてさ……」





奈緒「じゃあ、取り敢えず一緒に座ります?」


隣の席を指差し、私達は並んで座った

プリ小説オーディオドラマ