「お兄ちゃん」
優莉でも優波でもない、そんな声が聞こえる。
わたし、誰かのおにいちゃんだったっけ…?
わたしは、ちがう姿だった。
セーラー服にスラックスを履いていて、
セミロングの女の子…?の姿をしている。
わたしには、性別なんてよくわからない。
でも、声の主が「妹」ってことは、分かる。
「夕菜ー…」
そんな知らない子の名前を呼んだとき、
わたしの目から一筋涙が溢れていた。
何なのこの子。全く分からないんだけど。
怒ったり泣いたり喚いたり…… 子供みたい。
それって、「監禁」ってやつじゃ…。
やっぱ、面倒くさい!
…でも、この子は危険な訳じゃないみたい。
そう言う優翔くん… 優翔ちゃん?
どう呼ぶかも決めてなかった。何もかも。
あまりにも子供っぽくて、
それにばかり気を取られていたけれど。
最初イケメンとかかっこいいとか思ってたけど。
中身は全然違うし、私のタイプではないかも。
でも今はデスゲームよ。
恋愛なんか、どうでもいいじゃないの!
…やっぱり私には分からないわ。
この子の本質。 したいこと。
この子、何が目的なのかしらねぇ…。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!