第32話

15話『終着点に溢れた物』
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2023/10/03 09:44 更新
キラ
キラ
晴ッ!?
真央
真央
ぎゃあぁぁぁぁぁ!?
勢いよく飛び起きたキラに反応し、真央は3メートル先まで飛びのく。
漫画家よと思うような様子で一瞬ガタガタと震えた後、一段落付いたようにほうっとため息を吐いた。
真央
真央
はーびっくりした…おはよう
キラ
キラ
晴は!?なぁ、晴は大丈夫なのか!?
真央
真央
おわっ…
真央の襟元を掴み、キラは必死の形相で晴の安否を確認する。
真央は何とも言えないような表情をした後、思わずこぼれた笑みと共にキラに言った。
真央
真央
ふっ…灯台下暗し?下見てみぃよ
キラ
キラ
…え…あ、晴!!!
真央の発言に促されるままに、キラは不思議そうな顔をしながらも下に目を向ける。
そして、次に飛び込んできたのは…真央の膝の上で倒れている晴の姿だった。
真央
真央
何か気づいたら膝の上にいたからどういう事やねんと思ったんだけどさ、
どうせ今動いても全身が痛いだけだしこいつが起きるのを待つがてらボーっとしてたんだよね
キラ
キラ
…な、なら良いけど…
キラは晴の顔を覗き込む。血色は悪いという訳では無いが、その瞳は未だ開いていない。






















































だが、その手首に触れた時…キラは、青ざめた。
キラ
キラ
…え…は…?
真央
真央
…何?どしたん
キラ
キラ
…脈が…無…
真央
真央
は!?嘘でしょ!?
キラの言葉に真央も慌てて晴の手首に触れる。その後口元に耳を近づけ、眉を顰めた。





















































真央
真央
…え、待ってどゆ事?ラスワの威力は調整した筈だけど
キラ
キラ
…スペル…
真央
真央
…え?























































キラ
キラ
…晴のスペルに…魔力を丸ごと交換する代わりに、
もしかしたら自分が死ぬかもしれないって言う技があって…もしかしたら…!
真央
真央
はああー?それは…
キラ
キラ
…なぁ、死なない程度には調整したんだよな!?
お前の技で死んだって事は無いよな!?
真央
真央
ねぇよんなもん。並の奴らなら魔力の方に体乗っ取られて
云々とかあるかもしれないけど私に限ってそんなん有り得ないし
キラ
キラ
…じゃ、じゃあ…まさか…!?
晴
…ん…
キラ
キラ
!!!!!
―ひとまず、最悪の結末は回避できた。
微かに声を上げ体を起こす晴の背中を、キラはすかさず支える。
キラ
キラ
晴…!大丈夫か!?何か不調とか無いか!?
晴
私は大丈夫…だけどまだ膝枕やめたくない…
真央
真央
だそうですのでこの体勢のままでお願いします()
キラ
キラ
晴が初対面の奴にこんなに懐くはず無いし…
関係者って言ってたけど、お前マジでどんな関係だ?
真央
真央
特殊な状況下でのみ母と娘になるタイプの友達
キラ
キラ
うんわかんないわ教えてくれてありがとう()
晴
…ていうか、オマエは?
心配度合いで言えばオマエの方が強いんだけど
キラ
キラ
ああ、俺は大丈夫だぞ…本当に今さっきもしかしたら
お前のせいでメンタルぶっ壊れてたかもしれないけど!!!
そう激しく言い捨て、キラは頬を膨らませる。
傍から見れば普通に可愛いだけなのだが、その顔からは確かに彼の感情が読み取れる。
晴
は、何で…?
キラ
キラ
何でじゃねぇよ!お前最後の最後でスペル発動しただろ!?
晴
…え…ああ、それか
キラの言葉で、晴は腑に落ちた様な表情を浮かべる。
その表情は苦笑を浮かべる訳でも無くただ真顔であり、どうやら晴の中ではそこまで重い問題では無いようだ。
キラ
キラ
あれって時間との勝負…間に合わなかったら脳が焼き切れたりするんだろ!?
本当にそうなったんじゃないかと思って、脈も無かったし…
キラ
キラ
待てそうだそういえば脈無かったぞ!?本当に大丈夫なのか!?
重要な事を思い出し再び表情を険しくするキラだったが、それに対して晴はいつも通りの表情で笑った。
晴
っはは…脳焼き切れてたらまず今話せてねぇだろ。
脈はまぁ確かに弱かったかもしれないけど、今はもうあるし。ほら
晴が前に出した右手首に、キラは困惑が少し混じった様な表情でそっと触れる。
そして3秒後、不安が抜けたように安堵のため息を吐いた。
キラ
キラ
―はぁぁぁぁ…!ほんとだ…ある…!
晴
何だよ、そんなにビビったか?
キラ
キラ
死ぬほどビビりましたけどぉ!?
正直不安で心臓爆発するかと思いましたけどぉ!?
晴
うん、まぁ正直それは知ってた()





















































キラ
キラ
…まぁ、普通に生きてるなら良かったけど…それはそれとして…
晴





















































キラ
キラ
…何でスペル発動したんだ?
























































次の瞬間、キラの表情はどこか真剣なものになる。
怒っている訳では無い、あくまでただ…大きすぎる疑問を解消しようとしているだけだ。























































キラ
キラ
真央も威力は抑えたって言ってたし、そもそももし魔力が暴走したとしたって
お前は何だかんだ生きてるだろ?何で…
晴
…嫌な
キラ
キラ
…!?























































晴
…嫌な予感が、したんだ



















































晴
…このままじゃいけないような、ここで何もしなければ大変な事になるような…
そんな勘が警鐘を鳴らしてた





















































晴
…私は、死んだって良い。オマエのためなら、それこそ脳が焼き切れたって構わない























































晴
…でも…






















































晴
…キラ、オマエにだけは…死んでほしくなかったかr

































パンッ!























































晴




















































晴
―ッは…?
キラ
キラ
…ばか…






















































キラ
キラ
―ばかばかばかばか!晴の大バカやろー!
キラは、顔を真っ赤にして泣き叫んでいた。
溜め込んでいた部分が決壊し、感情が一斉に溢れ出してくる。
キラ
キラ
何で死のうとするんだよ、何で自分だけ犠牲になろうとするんだよ!?
優しすぎるんだよお前は!
晴
だ、だって…私は…
キラ
キラ
お前一人が犠牲になって勝ちました、はいありがとうなんてなる訳ねぇだろ!?
犠牲を生む勝利なんて本当の勝利じゃねぇって、前も言っただろうがぁ!!!
晴
…!





















































キラ
キラ
お前が死んじゃ意味ねぇんだよ、お前がいないと駄目なんだよ!!!























































キラ
キラ
…お前が死んだら…お前がいなくなったら…





















































キラ
キラ
…お前の瞳に映る青空を、今日も明日も見続けたいと願って戦った俺は…
どうなるんだよっ…!?
晴
…ッ!





















































キラ
キラ
…お前がいたから、俺の心は照らされた…
この沈んだ曇り空の世界を晴れさせたのは…お前なんだから…





















































キラ
キラ
…これからも、晴色の世界を…俺に、俺達に…見せてくれよ…!
晴
…!






















































晴
…ごめん…




















































晴
…ありがとうな…キラ…


























































  「続いては1105番!世にも珍しい白銀碧眼の少女です!」
      

            「…どうしたんだ?なんで、たおれてるんだ…?」
  

                    「おれはきら!おまえは?」
         

        「えっと、じゃあ…はる!おめめ、おそらみたいにきれいだから!」


                  「…大丈夫だ。おまえも、キラも…ぜったい、まもってやる」
                

            「―私はあんたの護り神、そして大親友。一生撤回する気は無いよ!」













































































































                「…やっぱりオマエら…最強だよ…!」

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