第33話

16話『嵐の後の白』
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2023/10/04 09:00 更新
フランドール
フランドール
うわぁ、綺麗に付け根の部分から無くなってるじゃないの…
真央
真央
だからそう言っとるやん…もうやだマジで痛い…
フランドール
フランドール
…待って、でも腕取れたところで吸血鬼か何かになればすぐ回復するんじゃ無いの?
真央
真央
勝つために必要な力がマジでカツカツすぎて
吸血鬼に変身する余裕皆無だったって話する?
フランドール
フランドール
あー、成程ね…
どす黒い表情で笑顔を浮かべる真央。
これには流石のフランも何かを察した様な表情で苦笑した。
フランドール
フランドール
今でも魔力は無いままの?あんた何で生きてるわけ?
真央
真央
企業秘密。もう魔力すっからかん
フランドール
フランドール
そう、なら今攻撃すれば遂にあんたを壊せるって事ね!?
真央
真央
やってみればぁ!?言っとくけど私の体術忘れた訳じゃあるまいね!?
晴
何やってんだオマエら…()
真央&フラン
今にもレディーファイしそうな勢いの二人だったが、そこで後ろから聞こえた声に同時に振り返る。
そこに立っていたのは、土埃を払うキラと呆れたような表情を浮かべた晴だった。
真央&フラン
いや、ちょっとこいつを亡き者にしようと
キラ
キラ
こんな息ぴったりなのに犬猿の仲な事ある?()
晴
はー…とりあえず真央はそこ座れ、その腕回復させるから
フランドール
フランドール
え、自分で壊した癖に回復させるの?
晴
うるせぇ()
晴は地面に膝をついて、真央の右腕(があった場所)に自らの右手をかざす。
そして、次の瞬間彼女の右手から柔らかい光が放たれた。
晴
開幕『リピーティングライフ』
その光に包まれ、光が晴れると…真央の腕は、当たり前の様にそこに存在していた。
腕がいつも通り動くことを確認し、真央は目を輝かせる。
真央
真央
―すんげぇぇぇ!!!ほんとに治ってる!!!
フランドール
フランドール
本当に何でもありね、あんた…
キラ
キラ
だろー?晴はマジですげぇんだよ!
晴
まぁそろそろ魔力は本格的に限界だけどな…
目を輝かせる真央、そして再び苦笑を浮かべたフラン。
そして何故か横にいたキラの方が満更でも無い様子で、
当の本人である晴は額を伝った汗を拭いつつふーっと息を吐く。





















































―そして、会話が一段落ついた時…キラは、ふと顔を曇らせた。




















































キラ
キラ
…俺ら…負けたんだな…
晴
晴




















































キラ
キラ
…お前らは強い、これは全力の結果なんだから
文句を言うつもりも無い。でも…




















































キラ
キラ
…世界が壊れるってのは…やっぱり…
晴
…キラ
キラ
キラ
…?





















































晴
―私、言っただろ?“大丈夫”って
キラ
キラ
…え、でも…
晴
これを信じるかはオマエ次第だ。でも、少なくとも私の脳内には…
























































             「―この日常が壊れる結末なんて、全く見えないんだよ」


























































ジョーカー
ジョーカー
あーあ、結局負けてしまいましたね。折角楽しい光景が見られると思ったのに
ヴァイア
ヴァイア
…ジョーカー…
ヴァイア
ヴァイア
…なあ、映姫。結局この後ジョーカーはどうなるんだ?
映姫
映姫
簡単な事です。彼は緊急事態の為一時的に地獄から解放された罪人…
役目が終わったのなら、また地獄に戻ってもらいますよ
ヴァイア
ヴァイア
ヴァイア
ヴァイア
そ、そんな…!一緒に戦ったのに…!
映姫
映姫
…罪なんてものは、後から悔やんだって遅いのです
ヴァイア
ヴァイア
…!
映姫
映姫
いくら自分の過去の罪を振り返ろうが、反省しようが、後悔しようが…結局過去は変わらない。
大切なのは後悔する事ではなく償う事
映姫
映姫
いくらここで善行を積んだとて、残りの刑期が一気に0になるなんて有り得ませんよ
ヴァイア
ヴァイア






















































ヴァイア
ヴァイア
…そう、か…
ジョーカー
ジョーカー
気を落とさないでくださいツヴォルフ。案外地獄も良いところですし…
映姫
映姫
―ですが
ジョーカー
ジョーカー
映姫
映姫
0にはならないとは言っても、ここで貴方が少なからず善行を積んだのも確か。
その行動に免じて…少しは刑期を軽くしておきます
ヴァイア
ヴァイア
ヴァイア
ヴァイア
ほ、ほんとか!?
映姫
映姫
ええ、咎人には罰と同時に救済も無くてはならない…私はそれを与える閻魔ですから
ヴァイア
ヴァイア
…ありがとう…本当にありがとう…!
ジョーカー
ジョーカー
映姫
映姫
…ジョーカー
ジョーカー
ジョーカー
ジョーカー
ジョーカー
…何でしょうか?
映姫
映姫
わかっているとは思いますが、例え地獄から解放されたとてまた悪事を働けばすぐに地に落ちますよ。
自らの未来は自らの手に託されていると、改めて認識して罪を償っていきなさい
ジョーカー
ジョーカー
ジョーカー
ジョーカー
…ええ、わかっていますよ。
それに…






















































ジョーカー
ジョーカー
…今の私には、彼女がいる…彼女の生き様に泥を塗るわけにはいきません
ヴァイア
ヴァイア
…!





















































ヴァイア
ヴァイア
…ほんっとお前…ズルいよ
映姫
映姫
























































映姫
映姫
(…矢張り、悪魔だろうが畜生だろうが変われるものですね)
映姫
映姫
それでは、貴方は今ここで地獄に戻しますよ。
色々と立て込んでいますので、人数が合わないと後々面倒なのです
ジョーカー
ジョーカー
ええ、わかりました
ジョーカー
ジョーカー
―それではツヴォルフ、また後で。
シュン






















































映姫とジョーカーが、その場から消える。
ヴァイアは気づけば一人、静寂が満ちる白い部屋の中にぽつりと立ち尽くしていた。





















































ヴァイア
ヴァイア
























































ヴァイア
ヴァイア























































ヴァイア
ヴァイア
(―行くか)
























































ギィ…
扉の向こうには、12人の戦士達が勢揃いしていた。
片方の軍の少女達は安堵と余裕に包まれた表情をし、一方の軍達は何とも言えないような顔をしている。























































―それはそれとて、実はヴァイアとキラ達の軍は今回が初顔合わせである。
キラズ軍
!?!?!?
キラ
キラ
えっ…はっ…嘘だろお前何で!?
ヴァイア
ヴァイア
いやそれこっちのセリフだよ!?何でここにいるんだお前ら!?
ゆき
ゆき
待っ…もしかして助っ人って貴方なの!?
紫霊
紫霊
…おい待て、助っ人がお前って事はコンビはもしかして―
実夏
実夏
ストップ紫霊!落ち着いて、余計な事は考えないで!!!
晴
…ヴァイア、ツヴォルフ……ジョー…カー…?
柚莉愛
柚莉愛
ああああああ晴!!!ほら落ち着いて深呼吸してよしよしよし
晴
うるせぇ…黙れクソ柿…
柚莉愛
柚莉愛
そこまで弱ってもそれだけはブレないんだねもう何か面白くなってきた!!!!()
東方軍
・・・()
一斉に阿鼻叫喚状態になる幻想郷メンバー。そんな空間を鎮まらせたのは…矢張りこの人物だった。




















































映姫
映姫
―さて…全員揃いましたね
ヴァイア
ヴァイア
…あ…
そう言って全員の顔を見渡す映姫の顔は、先程自分達と2対1で話していた少女のものでは無かった。
今の彼女は、戦争の決着を告げる閻魔…ものの数分でここまで変わるのかと、
ヴァイアは少しだけ複雑な気持ちに包まれた。
映姫
映姫
さて、改めて言いましょう。此度の戦争の勝者は…鬼灯真央率いる幻想郷です
事実だけを淡々と告げる映姫に、それぞれの表情は一人一人変わる。
とある者は真央達に賞賛の笑みを浮かべ、とある者は小さく溜息を吐いている。
映姫
映姫
これは確固たる事実…全ては確実した。もう二度と揺らがない、絶対的な是非です
全員
映姫
映姫
それでは―敗けた幻想郷を破壊します。もう歪みがそこまで迫ってきています、
勝利した幻想郷の住人は―
…あのー、すいません
全員























































全員が、声の方を向いた。























































映姫の声だけが響く空間に割って入った、聞き馴染みのある声。





















































その声の主は―






















































真央
真央
―勿論、鬼灯真央だった。
























































全員の視線が向いた事を確認し、真央はすぅっと息を吸って再度口を開く―






















































真央
真央
…これさ、私のみならずこの軍の奴らも
向こうの幻想郷のメンバーも全員思ってると思うんだけど…
























































      「―破壊とかしなくたってさ、こっち側の幻想郷にinさせちゃえば良いんじゃないの?」

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