なつのことがあって1週間。
意外となつは早くに復帰した。
色々考えることがあったようで、なつは会議が終わると話し出した。
ちなみに俺の家で会議をしている。
「あんま重く考えないでほしいんだけど、」
「おう?」
「どしたの?」
「いや、まぁその……。ばぁちゃんがさ、死ぬ時に言ったことがあってそれが気になって」
「ほぇ、どんなこと?」
「……『あなたが連れて行ってくれるのね』って。俺以外誰もいなかったのに。……幻覚見てたんかな。それとも……死神とかホントにいんのかな」
「ムズいこと考えてんなぁ」
「まぁ考えるというかなんというか……気になるだけで……」
「ん〜……死神はわかんないけど、幻覚はないんじゃないかな?何かを見たとしたら幻覚というより走馬灯とかの方じゃないかな」
「なつくん、それって本当に気になるだけ?」
「…………。だって憎い。もし仮にばぁちゃんが言った通りばぁちゃんを連れて行くやつがいたなら、そいつはばぁちゃんの“死”が分かってたってことだろ?連れて行くことができるならばぁちゃんを生かすことだってできたはずだろ!」
(なっちゃん…………)
「偶然、必然、運命」
らんが突然そんなことを言った。
「らん?何言ってんだ?」
「あぁいや……。人間の“死”ってさ、“偶然”と“必然”と“運命”のどれに当たると思う?」
「らんらん急にどしたの?」
「いいから。言ってみて」
「えぇ?…………運命……とか?」
「こさめもそう思う」
「俺も」
「俺も」
「……なつは?」
「…………」
なつは唇を噛み締めた。辛そうに。
「…………運、命……。だからってなんだよ!運命だから死ぬのは仕方ないって?」
「違う」
らんとなつの間に不穏な空気が漂い始めた。
「そういうことじゃない」
「じゃあどういうことだ?」
なつはらんを見据えた。
「そういう風にしか聞こえねぇよ……」
「だから違う。俺は人間の“死”を“運命”だとは思わない。俺は“必然”だと思う」
「えっ……?」
「人間はいつか必ず死ぬ。人間の寿命に永遠なんてない。まして不死なんてね」
「どういうこと?」
(今日のらんらん……というか、この話を始めてかららんらんはどこか少しおかしい……)
「“死”は必ず訪れる。“運命”って言葉じゃ表せないほど呆気なく」
「……は?だ、だからって、ばぁちゃんを生かせることは───」
「なつ」
「……」
その声は、誰も聞いたことの無い低くて冷たい声だった。
「なつには見えなかったそいつにも、人間の“死”は変えられなかった。そういうことでしょ」
「らん!言い過ぎだ!」
「ホントのこと言ってるだけだよ?」
みんな、らんから目を離すことができなかった。
今まで悲しい顔でしか笑わなかったあのらんが、唯一見せた、冷たい微笑みだったのだから。
「運命って言葉は、人間が作った目を背けるための綺麗事だよ」
お久しぶりです。
みんな読んでみて!!
あと、これ!
お気に入り200超えた!
ではまた(*´︶`*)ノ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。