第26話

❤️‍🩹 024
2,108
2024/05/06 06:00





  うんざりするくらい、あなたにはらって
  にくくてにくくて仕方しかたかった。













  ふとした瞬間に、違和感を覚えるのだ。
  私と違って、あの子は幸せなのではないかと。








  例えば、最低な母親、と言ったって
  よく聞いてみれば、どれも
  彼女の事を思っての行動言動だと分かった。




  成績もよく、容姿も器量も性格も何もかも
  彼女は、全てに恵まれていたのだ。























  ……仲間なんかじゃなかった。

























  そう思った瞬間には既に
  憎しみにどっぷりと堕ちていたのだと思う。
















  *****
















ミラ・アルベルト
 あなたの下の名前(カタカナ)、おはよ 
あなたの下の名前(カタカナ)
 うん、おは…よ… 









  私がそう「微笑んで」挨拶をすれば
  彼女は途端、切なそうに、哀しそうに
  それはまぁ酷く顔を歪めた。









  私の固有魔法、「嘲笑魔法スミリング」。




  一度唱えたら暫く途切れぬ
  持続魔法で、私が微笑んだ
  相手の精神を、傷つける事が出来る。








ミラ・アルベルト
 私のつらさを、知ればいい 









  最初は、ちょっとした嫌がらせな
  はずだったのだが、いつからだろう
  本格的に、「虐め」へと
  発展させていってしまったのは。








  あぁ、でもやっぱり
  あの時は最高に気分が高揚していた。
































  彼女に、「出来損ない」のレッテルが
  貼られた時は。本当に、気分がよかった。




















  *****
















あなたの下の名前(カタカナ)
 はい、…すみません… 









  教師からテストで酷い点をとった事について
  問い詰められている様子をみるのは
  本当に、本当にそれはもう楽しかった。




  ここ最近は、彼女を虐める態度を
  表に出してきているから、クラス中…
  なんなら、本人までもがこの事を知っていた。




  そして、クラスの標的にされた彼女は
  みるみるうちに成績を落として行き
  今では、私と同じ「出来損ない」になった。













ミラ・アルベルト
 あら、落ちこぼれで
 出来損ないのあなたの下の名前(カタカナ)じゃない 
あなたの下の名前(カタカナ)
 ……ミラ、…… 
 どうして、あんな…! 
ミラ・アルベルト
 まさか…私の魔法のせいで 
 あんな点を取ったとでも?
ミラ・アルベルト
 たかが、精神を傷つけられただけで 
 こんなにも落ちこぼれるなんて…

































   「 やっぱり出来損ないは
     最初から出来損ないだったのね  」
























あなたの下の名前(カタカナ)
 …っ… 









  私がそう言って笑うと、彼女は
  泣きそうに顔を歪めた。

















  じくりと痛んだ心には
  気が付かない「フリ」をして。








  今日もまた私は、彼女を
  傷つける為に、彼女に微笑む。
















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