第47話

38. もう遅れないように
1,849
2022/04/20 13:24



 あなたside _







『…はぁ、はァ…!岩ちゃん、及川さん…!』







 いろいろな所を探し回った。音楽室、理科室、教室…







 『いない…もうどこに…!?












 あ……屋上ッ!』








 私たち3人にとって、思い出の場所。







 『…は–、は–…
  後、少し…!』







 元からない体力を駆使して、階段を駆け上がる







 タンタンタンタンッ!








 『はー、は、』







 ドアの前に着き、軽く息を整えようと膝に手をつく。







 

 大分呼吸も落ち着いてきた頃に、ドアノブを開けようと手を伸ばそうとすると_____









及川「俺はッ…与えられてるだけなんだ…」










 『…及川さん?』










 何を考えてるかも、何を思ってるのかも分からない。






 
 
 でも、無性に腹が立った。この前言ったことを、忘れられてるみたいで








 ガチャッ…!







 年季があるような古びた、ドアを思いっきり開ける







 『だぁーかぁーらぁ〜!そんなことないっつの!』







 及川「あなたちゃん…!?」







 岩泉「あなた…!」







 『この前もいいましたよね〜?アンタの言動に救われた人は沢山いるって!まさか忘れたとは言わせませんけどね〜?』







 及川「ハ、ハヒ」







 『ごめんだけどね、私人を励ますのが苦手なの!だからうまいこと言える自信なんてミリもないけど…』







 『もっと自信持てよ、及川徹』








 私が伝えられる精一杯の言葉、涙が落ちて、どうしても声が震えてしまう。







 『あ、あと!岩ちゃん!及川さん!助けてくれてありがとう!また今度ス○バ奢ったげる〜!じゃ!』







 もうこれ以上話すと、もっと泣いてしまうから








 これ以上歩幅を離されないように







 もう、遅れを取らないように



 ちなみにあなたちゃんが及川さん達にタメ語を使ったり、呼び捨てしたりするのは、昔からずっと一緒だったからです!






 幼稚園、小学校、中学校と一緒だった3人。仲良しだね!

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