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第10話

すれ違う仲間②北山side
「はっ、タマ!」あいつの声が聞こえたような気がし目を覚ます、んなわけないか…(ふっ)

そのとき、ピカッと自分の玉が光りを放ち。
宏光、聞こえる?
北山
あぁ

薮が、話し掛けて来てよ。
そっち何か変わった事はない?
北山
ん?どうかした
それが

(はあっ?キスマイ全員行方不明って、どういう事だよ)
あれから気になって、それぞれに連絡をとってみたんだ
北山
で?
ダメだった宮田も玉森、千賀、横尾さん藤ヶ谷くん二階堂でさえ
北山
んだか
ごめん、もっと早くに伝えたかったんだけど指輪がなかなか光らなくて
北山
仕方がない、どうやったら光るのかなんて俺達には分からないんだから
そうだけど

(ってことは、まさか皆こっちに?ニカがいるって事はあり得ない話じゃない)
どこへ行っちゃったんだろ?
北山
ニカなら今、一緒にいるぞ
本当に?
北山
自分が誰だか忘れちまっているが
そんな!?でも宏光が一緒なら安心だ
北山
絶対に思い出させてみせる
頼むよ
(あとの連中は?)
玉森は宮田と秋葉にいたところまでは分かっている

(そっか、あの2人)
塚ちゃんが見かけたって言ってた
北山
ふ~ん、だったらこっちでも一緒にいるのかもしれないな
藤ヶ谷くんは横尾さんと

(あぁ、大体の想像はつくメシでも一緒に食ってたんだろ)
千賀の情報は、まだ何も
北山
‥‥‥

(って事は、みんな同じ日に)
宏光
北山
分かっている俺が全員捜し出してみせるさ
無理すんな
北山
なにが?
だって室町時代だろ、飛んで来た矢に当たるとか危険なことがいっぱいあるんだから
北山
俺がそんなヘマをやると思う?
でも
北山
心配すんな全員かならず見つけ出し、一緒に帰るから待っていろ


ガタッ!

が、そのとき何やら物音がし。

(二階堂?やっべ薮と話してて、あいつの事すっかり忘れてた)

北山
悪い急用だ、また後で


そう言うと慌てて後を追う、月の光りを浴びて見える彼奴の後ろ姿を。

(何を手にしているんだろ?はっ、村雨丸!?そんなのを持ち出しどうするつもりだ)

昔から夜道が苦手だったニカが、こんな時間に抜け出すだなんて思ってもみなかった俺は驚いてしまい暫くしピタッとその足が止まって。

(ここは?)

それは小さな丘で、ニカはヘタリ込むように座ると俯き。

(何をやっているんだ?)

そおーっと気づかれないよう俺はそばへと近づく、すると。

二階堂
こっ、こぇ…よ

(泣いているの?)

二階堂
でも、この刀さえあれば何かのときに役に立つ
北山
だから盗んだってわけか?
二階堂
…ビクッ
北山
バカだな、おまえ


そう言って隣に座ったら。

二階堂
他人なんて信じられるか、お前だっていつかは俺を裏切る、この刀だって
本当は護身用なんだろ
北山
なっ
二階堂
あんな話し嘘に決まっている
北山
おまっ


その物凄い形相が心に突き刺さる「違う」そう言ってやりたい。

二階堂
くっ


(が、今のおまえ俺の言葉を素直に受け入れるか?
なぁ~どうしたらその心を癒すことが出来る?もう一度、あの頃のように呼ばれたいミツって)

月の光りが俺達2人を見守るように照らしていた、その中で震えている二カを黙って俺は見つめながら時が経つのを待ち続ける。

心の扉が開くまで…

そしてどのくらい経ったのか?静かに風が吹き始めニカは、ふと空を見上げ。

北山
綺麗だよな
二階堂
えっ
北山
俺達の世界では滅多に見れない、こんな星
二階堂
ふっ、確かに
北山
俺さ、ここに来て初めてこの空を見た時すっげぇ~歌いたくなった曲あるんだ
二階堂
なにそれ?
北山
俺らってよ、いつもステージでライトを浴びて踊ってるだろ
二階堂
ステージ?
北山
あっ、そうか!おまえ覚えてないんだっけ
二階堂
ぁ‥…
北山
一応これでもアイドルやっているんだぜ、クスッ
二階堂
うっそだぁ~
北山
本当だって信じろ
二階堂
あり得ねぇ、ぎゃはは


(ニカが笑った…ふっ、良かった)

北山
それはそれで気持ちがいいんだけど、自然の光りの中っていうのもいいんじゃないかなと思って
二階堂
自然の…中?
北山
そう、いつか皆が揃ったとき歌いたい…その曲を
二階堂
‥‥‥


優しく風が、頬を撫でる。

二階堂
おまえ怒らないの?俺は大事なものを奪ったのに
北山
んっ?それってこれの事
二階堂
あぁ
北山
確かにオヤジとの約束を果たす為には必要な品、でも俺にはもっと大切なものがあるから
二階堂
大切な…もの?
北山
お前さ、ふっ
二階堂
なっ
北山
それとメンバーひとり1人、エビの連中、ジャニーズの先輩方、後輩たち
二階堂
ちょ、待て随分と多くない?
北山
お前だって俺と同じくらいにいるじゃん
二階堂
俺が?
北山
今はまだしまい込んでいるだけで
ここに


そう言うとトントンとニカの胸を軽く叩く、すると。

二階堂
うっ、うぅ、う…
北山
また泣くんかったくしょうがねぇなぁ~ふっ
二階堂
おっ…俺‥思い出したい…くっ‥大切な仲間…お前のこと…を
北山
焦るなって徐々に引き出せばいいんだからさ
二階堂
けっ…けど‥これだけは…分かる、ヒクッ
北山
んっ?
二階堂
きっと俺は、お前のことが大好きなんだって
北山
ばっ、バカ、照れるじゃん
二階堂
あはっ、アハハッ


泣きながらニカは笑い俺も嬉しくて、その横っ腹を突っついたり頭をクシャクシャに撫でジャレまくる。

二階堂
やめろって、もう
北山
別にいいじゃん笑わせてやってるんだし
二階堂
誰も頼んでねぇよ
北山
素直じゃないなぁ~相変わらず
二階堂
うっさい


そうやって俺達は、まるで以前に戻ったかのように束の間のときを過ごす。

北山
さてと戻るとするか、ここで寝てもいいけど出そうだし
二階堂
何が?
北山
猛獣とか猛獣とか猛獣とかがよ、ニヤッ
二階堂
げっ、早く帰ろ!ダッ
北山
ガハハハ 嘘だって、おいニカ


俺の言葉に物凄い勢いで走り出すニカを追い掛ける俺、だが来るときとは違う想いが確かに2人を包み込んでいた。

(あのとき風が吹いたから、あいつは素直になれたのかもしれないな)

ふと、そう思い足を止め空を見上げる。

二階堂
おーい何をやっているんだ早く来いって~


その声の先には前より少し元気になったニカが笑顔で手を振っていて。

北山
分かった今いく、だから叫ぶな


が、そのとき俺はいや俺達はそこにもう1人いた事に気づいていなかったんだ。それを後になって知る風と一緒に月夜に浮かんだ人影を…

こんなところに誰かいる


そいつの眼に俺達は、どんなふうに見えていたのか。

なんか寂しそうに見えるな、あいつ


風が、そよそよとニカの心をそいつの元へ届けた。

ふーん自分が分からないんだ、けど俺は知っている気がする後から来たあの人のことも


ざわざわ、ざわっ…

苦しんでいるんじゃない悲しいんだろ?本当は誰かに甘えたいのに、意地を張らず素直になればいいのに


ざわっ…

ほら風もそうだって言っている


ざわざわっ…

今、傍にいる人なら大丈夫だって


ふわっ…

そう良かったね寄り添えて、もう独りじゃない


だけど…

「独り…か」そう呟いた言葉は俺達の耳に聞こえてはいなかった遠い眼をし過去を振り返っていたことも、それはある人との出会いと別れ。

どうして?なんでこんなことを
たとえ…周りが‥くっ…どう‥殿を…悪く言おうとも‥ハァハァ…これが‥家臣…たる‥者の忠義
そんな!?
お主は…まだ‥若い…行け‥くっ
しっかりしろって
最後を…看取って‥くれたこと…感謝‥す…る‥‥ガクッ


徐々に自分の手の中で冷たくなっていく身体を抱きしめ。

俺は人の命が消えゆくのを直に感じていたんです1年前、目を覚ましたら森にいて


それからずっと、風に見守られ過ごして来たことを教えてくれたのが犬江という侍だった。

そう後になって聞く…狩りに来たというその人は、ひと目みるなり「親兵衛」そう呼んだらしい。

生き別れになった息子によく似ていたからと、それから一緒に過ごす時が増えていき。

お前は不思議なやつだ、どうやら風に気に入られているようだな
えっ


いきなり言われたときにはビックリしたと風に気に入られているとはどういう意味なんだろうって。

けど戸惑っている自分に「心配するな何があっても風がお前の力となり護ってくれるはずだ」

優しい眼差しで、勇気づけてくれ。

今なら分かるんです、ここに来てからいつも傍に誰かがいる気配を感じていたから護られて来たからこそ俺は独りでも頑張って来れたってことを


風使いー

いつの頃からかそう呼ばれるようになった、そいつとの再会はもっと先の話し。

この戦国の世で、誰が命を落としてもおかしくない時代に山下定包やましたさだかねの家臣だった犬江という侍はその命の炎を自ら消し去ってしまう。

里見義実と戦って死んだ主君の後を追い…

忠義?忠義ってなんです、自分を投げ出してまで守り通さなければならないものなんですか


それは俺にも分からない、けど「その時代」その時に生きる人にとって大切な物があるのは確かで例え理解できなくとも、みな精一杯生きている。

そうだろ?永瀬廉

お前に会った時そこにいた全員が声も出ないほどに驚いた、まさかこっちへ来ているだなんて思いもしなかったから。

それからニカは、この世界に来てから俺に会うまでのことを話して聞かせてくれ。

二階堂
あの人だけが俺を異質な目で見なかったんだ
北山
そっか
二階堂
腹減ってぶっ倒れた俺にメシを作ってくれ、それがめちゃくちゃ美味くってよ
北山
うん
二階堂
なのに俺なんにもできなくて苦しんでいるのを見ていることしか、くっ…
北山
俺だって同じさ見ている事しか出来なかった
二階堂
これ
北山
あぁ~お前やっぱり持っていたのか


それは、自分と同じ玉。


二階堂
あの人の形見、亡くなった息子のもんらしい
北山
息子?
二階堂
俺が名乗っていた荘助って名前がそう自分の名も忘れてしまった俺にあの人がじゃあ貴方は今日から荘助って言ってくれ
北山
俺はオヤジの息子の名を借りてた
二階堂
なんだ似たようなもんじゃん、クスッ
北山
だな、ふっ


ピカッ!

と、そのときニカの玉が光りを放ちそれに連動するかのように自分のも浮かび上がった文字は【義】

二階堂
なんだよこれ?どうなっている!?


突然のことに、驚きの声を上げるニカ。

北山
俺もよく分からないんだけど、聞こえる薮
二階堂
はっ?


目が点になっているニカを後目に俺は取り急ぎ薮にコンタクトを取る。

宏光もしかして今、二階堂と一緒にいる?
北山
あぁ
こっちは事務所の社員食堂にいるんだけど傍にハットがあって光ってるんだ
北山
もしかして、それニカの?
お~い、これ誰のだぁ

薮が叫ぶと聞きなれた声で「すみませ~ん僕のでーす」そう返す言葉が聞こえ。

(あれ?)
宮近、お前のだったんだ
宮近
正確には、ニィ~二のです
やっぱり宏光、聞いた

(あぁ、ばっちり)
北山
俺の声が聞こえる?宮近
宮近
えっ、ええっ、北山くん!?どこにいるんですか?ひえぇ~幻聴がぁ
北山
‥‥‥
ねぇ、落ち着いて!みんな見てるし


(ダメだ、こりゃ)

そんな俺らの会話を唖然とし聞いているニカ。

北山
薮、そいつに事情を説明してやってくれる?
あぁ、でもすぐには理解できないかもしれないよ
北山
それでも待ってるから

そのハットを通しニカに話し掛けてくれたら、もしかすると自分のときみたいに記憶が戻るかもしれない「だから、頼む」

俺は祈るような気持ちで時を待ち、数分後。

いいよ話し掛けても
北山
おう宮近、北山だけど
宮近
はい先程は失礼しました
北山
いやビックリするのは当然さ
宮近
あのー本当に、ニィ~二がそこに?
北山
話し掛けてみ?ほら
宮近
‥‥‥
北山
時間がねんだ早く


話ができるのは光っている時だけ、だから俺は焦っていた。

いつ止まってしまうか分からなかったから。

宮近
ニィ~二、宮近です分かります?
二階堂
宮…近?
宮近
今、どこにいるんです?みんな心配しています
二階堂
みん…な?って
宮近
俺達トラジャはもちろんのことスノやエビの皆さん滝沢くんも
二階堂
滝…
北山
‥‥っ


(俺も心配をかけているんだよな)

宮近の言葉から、その名前が出たとたんズキンと心が痛む。

と、そのときニカの瞳から涙が溢れ出し。

(はっ、もしかして)

思わず息を飲み込み俺は見つめた、その潤んだ瞳を。しかし…

二階堂
俺、なんで泣いたりなんかしたんだろ?よく分からないんだよな


こいつの記憶は、戻らなかったんだ。

二階堂
ただ温かいものがこうスーっと心の中に流れ込んで来たら


宮近は、これからも話し掛けてくれると約束してくれたけど。

北山
とにかく今日はもう寝よ
二階堂
あ、うん


(もしかしたらニカの記憶は千賀じゃなきゃダメなのかもしれない、とはいっても彼奴も今は行方不明…とどのつまり自分たちで捜すしかないってことか)

捜すと言えば、俺は確かに自分という存在の記憶を取り戻しはしたが全てを思い出したわけではなく
肝心な部分が抜けていた。

どうしてここにいるのか?ということが。

それを思い出さなければ俺達は、元の世界へ戻ることができないような気がしていたんだ。

それから、朝になって次の村へ移動するため街道へ出て暫く進むと。

北山
また旅芸人?多いなぁ~そういうの


あの時みたいに、人だかりが出来ている所に出くわし。

二階堂
違うみたい、なんかお布施のようなものを貰っている
北山
はっ?なんだそれは


よく見ると僧呂の格好をした奴が火の中へ入ろうとしていて、その姿に集まった人々が次から次へ銭を投げつけている。

北山
アホくさ行くぞニカ
二階堂
えっ、面白そうじゃん
北山
くっだらねぇ、どうせインチキかなんかだろ


(あんな所へ飛び込んで平気だったら、あいつ化けもんだ)

俺は、その顔を見ようともせずその場を離れてしまう。

二階堂
ちょ待てって何を怒っているんだよ?
北山
うっせぇーや


しかし後日、俺達は思わぬ形でその僧侶と再会する事となる。

「きっと何か意味があるんだ今こうしている事に」そう思ったのは、そいつと再び出会ったときだった。

まるで運命に導かれるかの如くにー




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朱桜
朱桜
歴は10年を越えカッコ可愛い最年長が大好き“これからもずっと見続けていたい”そんな大切な存在だから想いの全てを物語に紡いでいます。 私が描く作品は絶対にKiさんは右で、その隣にいるのはFさん。 同じような気持ちをお持ちの皆さん、一緒に彼らの世界で浸りませんか。 宜しくお願いします―
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