松乃と将吉郎は屋敷に帰って情報を整理していた。
松乃は昔から胡散臭い性格なのでこうして人をからかうのを楽しんでいる。
松乃はいつの間に用意したのか帳面に書きつけていった。将吉郎はその文字を見つめている。
松乃は言葉を区切り、しばらく考え込んだ。
将吉郎は提灯の中の蝋燭に火をつけ、それを持った。扉を開け、先導する。
そう言いながらもお鷹は、何か胸騒ぎがするのを感じていた。
口を開こうとすると、すでに松乃は垣根の外に出て、道を歩いていた。
ここからでは、声が届くのは絶望的だろう。
松乃は節約のため、屋敷が近づいてきたら提灯の蝋燭を消すようにしている。
将吉郎は言われた通り、蝋燭の火を吹き消した。
と、刹那の後、二人組の男が無言で襲いかかってきた。
口を塞がれそうになった松乃はとっさに男の腕を捻り上げ、地面に磔にした。
将吉郎も松乃と同じようにした。
男二人は、手に筒のような物を持っていた。
松乃は男たちの鳩尾に拳を叩き込んだ。
男は、白目をむいて倒れた。
将吉郎は縄を取り出し、男たちを後ろ手に縛って担ぎ込んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。