高橋 side
宮馬「 おまたせっ、」
大橋「 待ってへんよ。大丈夫 」
宮馬「 ありがと 」
藤原「 …… 聞いても、ええ? 」
藤原「 移植するか、しないか 」
みんな真剣にあなたの答えを聞く。
するんだろうな、こんな考えがみんな頭の片隅にあっただろう。
そんな中あなたは、悲しそうな笑顔で
宮馬「 僕は、移植しないことにした 」
困惑する人や、足に力が入らなくなり崩れる人、考える気力がない人、あるいは全部の人。
声を発するメンバーはいなかった。
宮馬「 ほんま、ごめんっ 」
宮馬「 みんなの気持ち踏みにじるような答えで、ほんまにごめん 」
理解ができてない状況のなか、意外にも俺の口は開いた
高橋『 それは、なんで、? 』
宮馬「 …… 最後まで、家族の前にいて欲しいから 」
何言ってるかよく分からなかった。
自分から聞いといたものの、内容が入ってこない。
みんながそれぞれ質問するのでさえ、聞くのがままならないほどだった。
唯一理解出来たのは、余命1年だけ。
さらにどん底へと落とされた気分だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。