第9話

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2024/04/28 09:00
及川あなたの下の名前.
ただいまー……
母.
おかえりあなたの下の名前……あら,その箱は?
及川あなたの下の名前.
ケーキとタルト買ってきたの
及川あなたの下の名前.
皆で食べたらいいかなって思って……
母.
あらあら,まあまあ……あなたの下の名前にも,ついに人の心がねぇ……ッッ!
及川あなたの下の名前.
皮肉じみてるね……
母.
そんなつもりは無かったのだけどね……
及川あなたの下の名前.
……まぁいいや
及川あなたの下の名前.
今日の夜ご飯は何?
母.
ハンバーグよ〜!♡
及川あなたの下の名前.
……!

母さんのハンバーグは絶品だから本当に嬉しい.


その後にデザートとしてケーキやタルトを食べられるのは……幸せすぎる……!︎‪💕

母.
ふふっ,目がキラキラしてるわ
母.
早く着替えたりしなさい
母.
義父とうさんと徹くんを出迎えないとね
及川あなたの下の名前.
……うん

母さんに箱を渡して,靴を脱いで……自分の部屋に向かった.

✧• ───── ✾ ───── •✧

及川あなたの下の名前.
……なに,これ

部屋に入ると机の上に小さな箱が置かれていた.


なんだろう,と思って鞄を床に置きながら近づくと,その下に紙も置かれていた.


……これ,及川さんからだ.


でも,朝は私の方が後に出たのに,なんで……?

及川あなたの下の名前.
あ,そういえば……
及川あなたの下の名前.
あの後,及川さん……なんか自室に用があるって言って部屋に戻って言ってたな……

もしかしたら,その時に入ったのかもしれない,と思いながら……少しだけ苛立ちのようなものを感じていた.


それと,この箱は……なんだろう.


紙に書いてあるかな,と思い再び視線を落とすと,こう書かれていた.


「 やっほーあなたの下の名前ちゃん!お兄ちゃんからの小さな贈り物だけど,よければ受け取ってほしいな.あなたの下の名前ちゃんがそこまで俺の事を好いてるわけじゃないのは昨日の態度でなんとなく分かってるよ.でも,俺はあなたの下の名前ちゃんと仲良くなりたい.そんな思いも込めて,これを渡させて欲しい.及川さん呼びはやめて,せめて徹さんって呼んでほしいなっ!……お兄ちゃん,が1番嬉しいけどね.でも無理はしないでほしいから,好きな呼び方をしてくれればいいから. 」

及川あなたの下の名前.
……っ

内容が滅茶苦茶だ……全然,統一もされてない…… .


なのに,その一つ一つの言葉が私の脳へとスッと入ってくる.


箱を開けてみると,ハーデンベルギアという花の髪飾りと少し水色がかったオルゴールが入っていた.


手に持っている紙に,少しずつ涙の痕が付いていくのが見えた.

✧• ───── ✾ ───── •✧

みこの.
みこの.
ハーデンベルギアの花言葉は「運命的な出会い」
みこの.
みこの.
及川さんはこの出会いを喜んでるってことを表すのに最適かなって感じの花言葉にしました(
みこの.
みこの.
↓ちなみに,こんな花ね

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