帰ってきても忙しなく動き回る私に痺れを切らしたのか、航が怒鳴った
航がため息をついて言った。
スラムは憲兵に包囲されてたこと、寮長と戦って啖呵切ったこと、攫われてたみんなを取り返したこと、あの手紙は怜さんや幸哉が書いたものではないことを順を追って話した。
項垂れた時、部屋にノック音が響いた。
ガルムさんは部屋を一瞥してため息をついた。
思わずガバッと2人で顔を見合わせた。
そうだった。色々動き回るうちに私の部屋に来てたんだった。
それに気づいたのは航も同じらしく、真面目な航は顔を少し赤くしてすぐに青くした。
あの航が100面相をしてるのが面白く、クスッと笑ってしまったら航にギロリと睨まれた
流石蛇系人外
ごめんって
まっすぐガルムさんを見つめていると、ガルムさんがため息をついた。
思わず歯噛みする。
王族会議までまだ時間がある。ひと月・・・いや、1週間あれば、寮長の実力なら確実にスラムを陥落させることができる。
そう言って副寮長はスマホを操作して私たちに見せた。
画面に表示されてたのは国営放送のネットニュース記事で、見出しには大きく「【速報】桜都・シームルグ軍 スラムから撤退」と書かれていた。
信じられない見出しに二、三度瞬きし、スマホを引ったくるようにして読んだ
つまり・・・
あまりの急展開に思わずしゃがみこむ
聞いたことないくらいの航の優しい声に顔をあげれば、航は少し困ったような顔をしていた。
なんでこんな涙腺が緩くなってるんだ私・・・
昨日も今日も泣いてばっかりだ
そう言って手を差し出された。
その手を握って立ち上がりながらしっかりと答える。
どこからともなく2人で顔を見合わせてニヤリと笑い合って






![[ 大型参加型 ] # 天空の賽子に全てを任せ 。](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/OdQY9PRCapcR2Vu3TgUF1zkHQ8k1/cover/01KZ8EZKDN00GBAXG82H0MX4N7_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。