第43話

#42
14
2026/01/11 06:59 更新
橘椿
航!
航とアラさんが入り口から出てきたのを見て、反射で立ち上がる。
ずっとできなかった息がようやくできた心地がした。
橘椿
どうだった?
航・バジリスク
アラさん退出して終わり。
今寮長が喋ってる
思わず気まぐれ悪魔(アラさん)をキッと睨みつけたがすぐに辞めた。
向こう見ずとか無鉄砲とか言われる私でも、この悪魔に喧嘩を売るほどバカじゃない。
航・バジリスク
けど・・・寮長は人間との共生を望んだ
思いがけなかった航の言葉にドクンと心臓が跳ねた。
寮長が望めば、この世界が大きく変わるかもしれない。その高揚感がいつかに体験した武者震いに近くて。ひとつ大きな深呼吸をした。
航・バジリスク
どうなるかは俺にもわからん。ただ、動き出すことは間違いない
橘椿
うん
本当はもっと言うべきことがあるはずなのに、これから動く未来への高揚と、寮長が言ってくれたという事実に安堵してこれ以外何も言うことができなかった。
mob
チッ
無機質な部屋に、男の舌打ちだけが響いた。
その空虚な空間にさえ苛立ったのか、もう一度舌打ちした。
シームルグの坊、即位したばかりで調子に乗りすぎではないか。
今まで同志が数え切れないほど人間に殺されてきた。その英霊たちは何のために戦ってきた?
全て、人間を殺すことに他ならない。
それなのに人間を殺す?甘えた思想も大概にしろ

はらわたが煮えくり帰りそうなのか、男の額に青筋が立っていた。
だが、シームルグ家は始祖の血が近いことと、眷属が多い故に、王族の中で5本の指に入るほど権力が強い。
男のような弱小王族ではあまり力を成さない。
しかし、幸か不幸か、此度(こたび)は男と同じ意見の王族が多かった。
この際、邪魔なコイツ(アキレア・シームルグ)も消してしまおうか
暗がりの中、歪に男がニヤリと嗤った














あけましておめでとうございます。レインです
長らく更新しておらずすみません・・・
いよいよ最終章。駆け抜けて行きたいと思います。どうか、よろしくお願いします

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