第78話

職場体験ⅩⅢ
215
2024/03/31 03:38







































「もうあなたちゃんとはあそんであげない。おとこのこたちとさっかーするほうがすきなんでしょ」



「あなたちゃんにはこのワンピースが絶対似合う!ほら、やっぱかわいい〜♡」



























          違うの


























「正直ウザいよね、明らかに男ウケ狙ってるでしょ」




「あの2人、付き合ってるらしいよ」




「えぇ〜w釣り合ってなさすぎw」




「金輪際、彼に近付かないで」






























         わかってる



























「キャアアアアッ!!」



「救急車!!救急車はまだか!!」




「まだ若いのに…可哀想にねえ…」


























         やめて…




























「あんたのせいよッッ!!」




























       ごめん、なさ__!!





































   【 __大丈夫。ここにいるよ 】
























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____
































何が起こったのか、理解できなかった

















氷壁の先が昼時のように明るくなったかと思うと、顔を上げるより先にびくともしなかった壁が、いきなりあっさりと腰辺りまで溶けてしまったんだから









霜が張ってぼやけていた景色がクリアになり、1番に目に映ったのは見たことがない臙脂色の轟々と燃え盛る炎で













歴史の教科書に載っていた、かつての世界戦争の最中多発した空襲攻撃の風景と重ねた














   轟「___ッ、姉さん!!」














藪から棒に隣にいたクラスメイトがその炎の中へと飛び込んでいったことで、地獄絵図に持って行かれていた意識が強制的に引き戻される












無意識の内に立ち竦んでいた







ぼーっとしている場合じゃないだろ、あなたさんを探さなきゃ…!!










そう焦燥感に突き動かされるまま、深紅の炎へと足を踏み入れようとするも











   轟「っあ"!!?」





  緑谷「〜ッ"!!」










陽炎を掠っただけで、皮膚をメリメリと剥がされるような激痛が走って反射で足を引っ込めてしまう





炎の耐性があるはずの轟君でも、片足だけ突っ込めたものの苦しそうな表情を浮かべて立ち止まってしまった











まだ炎の道は続いている







こんなの、どうすれば……











途方に暮れたその時、蝋燭の火をフッ、と吹き消すように、高く立ち昇っていた炎が一斉に同じ方向に揺れると瞬きする間に忽然と消えてしまった







黒一色の路地裏を喰らい尽くし、辺り一面を深い赤に染め上げたそれは見る影もなく、一番初めにここに来たときよりも深い闇が残る















隣の彼と顔を見合わせ、じいっ、とその中へ目を凝らす






それ程離れていない所の地面に、大きなシルエットが浮かんでいた











轟君と共に警戒しつつ近付いてみると、それは徐々に実態を持ち始め、地に横たえる何分か振りのヒーロー殺しの姿を視認する








轟君が数歩前に接近し、数秒間押し黙ってから僕の顔を見てひとつ頷いた













   轟「…………大丈夫だ、気絶してるだけ。死んではいない」










一瞬硬直した体がほっと緩む






念の為拘束するべきか、そう彼に問いただそうとした時












___バタッ









もう少し奥の方で空気の揺れ動く気配を感じ取った












   緑谷「……………………、」












吸い込まれるように、体が勝手にその方向へ動いた

















一歩踏み出すのにひと呼吸かかった歩みは、その存在を認識してから等速に速さを増していく








真空状態の体内で心臓の音だけが鼓動する気持ち悪さに呑まれながら、腹から声を押し出した










   緑谷「あなたさんッ!!!」



















猫のように体を丸めぺたりと座り込む彼女に駆け寄る






個性の反動だろうか。名前を呼んでも答えず、絶え間なく激しく咳き込んではひゅうひゅうと壊れたビイドロのように息を吸い込むを繰り返していた











   『ヒッ……が、うッ…………ゲホッ、……ヒュウッ、っめ、なさ………!!』







咳をする度にびちゃびちゃと地面が赤い斑点で染まっていく






焦点の合っていない瞳で、制服の胸元の生地をを握り締める姿は、僕の知らない地獄で苦しんでいるようで













色んなものへの抵抗だとか、そんな事を感じるよりずっと早く、体が動いた












   緑谷「あなた、さん…大丈夫だよ。平気、平気」








震える彼女の背中に手を置き、少しだけ力を込めてゆっくりとさする









   緑谷「落ち着いて、吸い込むんじゃなくて、息吐こっか。大丈夫、できるよ。」





   『……ヒュッ、ケホッ……っ、あ……』









声をかけ続けていると、瞳孔の開いた瞳が僕の腹辺りを捉えた







声は聴こえているみたいだ
















大丈夫、大丈夫、と彼女の体を包み込むようにぴとりと寄り添って、その背中に一定のリズムを送り込む









本当にゆっくりだけど、徐々に肩の動きが小さくなり、口元から垂れる血の量も少なくなってきた















ただ依然、胸元の制服の生地を握る手だけはぴくりとも動いていない














ふと、しゃがむべく折り曲げた僕の太もも辺りに小さな衝撃が掠った











   『ハッ、ハアッ……っ、あ…………』











あなたさんの空いている方の手が、何かを探すみたいに震える手付きでぺたぺたと錆の目立つコンクリートを撫でている










きめ細やかだと思っていたその手は、よくよく見ると、少し骨が浮き出ていて、所々に古い切り傷や擦り傷の跡が残っていた









そっとその手を包み込む














   緑谷「大丈夫、ここにいるよ」












被さった下にあるその手が、僅かに振動した







銀色に近い白髪の前髪が揺れ、幼さが残った浅葱色が姿を現す









初めて見るそれに小さく息を呑んだ
















その瞳と僕のそれとがかちりと嵌まると、数秒の間を置いて薄い唇が小刻みに震えだし、何かを形作る






僅かに開いたその隙間から溢れた音がするりと僕の耳に入り込み、鼓膜をちょんっと小さく揺らした























   『__お、り____?』



























   緑谷「…………え?……」
















その一瞬だけ、周りの雑音がぷつりと遮断されていた















僕の口元から困惑を乗せた吐息が零れ落ちた、その瞬間を狙ったみたいに








銀に近い白の睫毛に縁取られた彼女の瞼が、ゆっくりと左右異なる色の瞳の上に覆い被さった
















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……………………(土下座)















突然の土下座失礼します












また1週間放置してすびま"せんでじた













今回は言い訳無しの200パー我が悪いです










いっくらなァァァァんど練ってみても文章が摩訶不思議宇宙猫になっちまうので暫く似たようなシーンのある小説漁って研究してました









このチャプターの文章読んで「これがその末路…?」と首を傾げたそこのあなた!!!









これでも大分マシになったから!!!!(必死)









あんまり期間空くのもキショいのでしょうがねえ、投稿するに至りましたができたらあまりツッコまないで欲しいna🥺








どうかこのチャプターのコメ欄が「最近暖かくなってきましたねえ」とか「フリーレン&薬屋ロスでまじちぬゥ」などとほわわなやつで埋まる事を切に願う










また同じ匂いがするので先に言っときますねでは2週間後に(ふざけんなよこの雑魚g)










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