第21話

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2020/11/19 23:54 更新
ベッドのそばに置かれた箱には
ペンステモンという花がたくさんある
プリザーブドフラワーだった。

一緒に添えられた手紙には
名前は書かれていなかったが
たった一言"貴女に見惚れています"と
書かれていた。

(この字……)
どこがで見たことがある字だった。
去年北くんにもらった手紙と比較すると
とても似ていた。

(もしかして……)
そう思い、たまたま病室にいた看護師さんに聞いてみた。

西山 愛生
西山 愛生
あの、わたしが寝ている間…
制服を着た男の子、来ませんでした?
その看護師さんは
「ああ!来てましたよ!」と言った。

やっぱり、北くんだった。
別れたのに、もう来なくていいと言ったのに。
何で来たのだろうか。

私は分からなかった。
でも、嬉しくて涙が溢れた。
字を見るだけで愛しく感じた。

私はまだ、北くんが好きなんだ _______
_____________________

電話が鳴った。
携帯を開くと画面には
"片岡 悠真"という文字。
私は電話を取った。
西山 愛生
西山 愛生
もしもし?
片岡 悠真
片岡 悠真
あ、愛生?
西山 愛生
西山 愛生
どうしたの?
片岡 悠真
片岡 悠真
…誕生日、おめでとう
西山 愛生
西山 愛生
ありがとう!
片岡 悠真
片岡 悠真
忙しくてなかなかお見舞い行けなくて
ごめんな
西山 愛生
西山 愛生
そんな!全然ええねんで
片岡 悠真
片岡 悠真
余裕出来てきたし
明日から明後日にお見舞い行こかなって
西山 愛生
西山 愛生
来てくれるん?
片岡 悠真
片岡 悠真
あの、さ。
侑と治も連れてってええ?
(侑と治………ああ!あの双子!)
西山 愛生
西山 愛生
ええよ!
待ってるわな
片岡 悠真
片岡 悠真
ありがとう
また連絡するわ
そう言って彼は電話を切った。

悠真に会うのは久しぶりで
少しだけ緊張する。

_____________________

2日後。
今日行くと悠真から連絡が来た。
検査があったので少しだけ病室で待っててと
言っておいた。

病室に戻ると賑やかな声が聞こえた
片岡 悠真
片岡 悠真
愛生!
西山 愛生
西山 愛生
悠真!!
宮 侑
宮 侑
こんにちは!
宮 治
宮 治
こんにちは
西山 愛生
西山 愛生
侑くん治くんこんにちは!
彼らはもう病室に来ていた。
みんな元気そうで安心した。

みんなで話している時、
悠真がスッとあるものを渡してきた
西山 愛生
西山 愛生
ん?これは?
片岡 悠真
片岡 悠真
誕生日おめでとう
そう言って渡されたのは
髪飾りやアクセサリーだった。
しかも全部私がほしいと言っていたものだった
西山 愛生
西山 愛生
え!?ありがとう…!
宮 侑
宮 侑
え!誕生日近いんですか?
西山 愛生
西山 愛生
もう過ぎたで
宮 治
宮 治
そうなんですか?
そういや昨日北さんの誕生日やったな〜
私はドキッとした。
まさか、ここで北くんの名前が出てくるとは思わなかったから。
西山 愛生
西山 愛生
あ〜確かに、北くんも誕生日7月やったなあ
私がそう言うと悠真が耳元で
「昨日、北病院行く言うてたけど?」と言われ、私も耳元で「会ってへんけど来てたっぽい」と言った。

悠真は私たちが別れたのを知らない。
宮 侑
宮 侑
あーあ、俺ら恋愛禁止やからなあ〜
可愛い子居てても
付き合われへんやん〜
侑くんが言った言葉に疑問を感じた。
(恋愛禁止…?)
宮 治
宮 治
なんで恋愛禁止なったんですか!
片岡 悠真
片岡 悠真
なんやっけな〜
忘れたわ、俺も
西山 愛生
西山 愛生
ちょ、待って?
恋愛禁止ってどゆことなん?
片岡 悠真
片岡 悠真
あ…北から聞いてへんの?
西山 愛生
西山 愛生
え、うん…
片岡 悠真
片岡 悠真
なんか1個上がなんかやらかしたっぽくて
部活のルールが厳しくなってん
ほんで、引退するまでは恋愛禁止になってん
西山 愛生
西山 愛生
そ…う、なんや……
北くんは恋愛禁止というルールを守っただけ。
私は北くんの気持ちを確かめたかった。
まだ気持ちがあるなら。
まだ、私のことが好きなら……

そう思い、悠真たちが帰った後に
北くんに電話をかけた
北 信介
北 信介
もしもし
西山 愛生
西山 愛生
あ、北くん!!
北 信介
北 信介
どしたん?
西山 愛生
西山 愛生
ま、まず!
誕生日おめでとう!
1日遅れてしまったが
彼の誕生日をお祝いした
北 信介
北 信介
ありがとう
西山さんもおめでとう
距離を感じた。気持ちの距離だ。
別れたから呼び方が前の呼び方に戻っている。

付き合ってた時みたいに
"愛生"って呼んでほしかった。
その愛しい声で私の名前を呼んでほしかった。
西山 愛生
西山 愛生
……ありがとう…
北 信介
北 信介
ほんでどしたん?
ちょっとだけ忙しいねんな
西山 愛生
西山 愛生
あ……じゃあ、大丈夫…
切るな…
結局その日に聞けなかった。
さらに前よりも冷たく感じた。
北くんってあんな人やったっけ…

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