ベッドのそばに置かれた箱には
ペンステモンという花がたくさんある
プリザーブドフラワーだった。
一緒に添えられた手紙には
名前は書かれていなかったが
たった一言"貴女に見惚れています"と
書かれていた。
(この字……)
どこがで見たことがある字だった。
去年北くんにもらった手紙と比較すると
とても似ていた。
(もしかして……)
そう思い、たまたま病室にいた看護師さんに聞いてみた。
その看護師さんは
「ああ!来てましたよ!」と言った。
やっぱり、北くんだった。
別れたのに、もう来なくていいと言ったのに。
何で来たのだろうか。
私は分からなかった。
でも、嬉しくて涙が溢れた。
字を見るだけで愛しく感じた。
私はまだ、北くんが好きなんだ _______
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電話が鳴った。
携帯を開くと画面には
"片岡 悠真"という文字。
私は電話を取った。
(侑と治………ああ!あの双子!)
そう言って彼は電話を切った。
悠真に会うのは久しぶりで
少しだけ緊張する。
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2日後。
今日行くと悠真から連絡が来た。
検査があったので少しだけ病室で待っててと
言っておいた。
病室に戻ると賑やかな声が聞こえた
彼らはもう病室に来ていた。
みんな元気そうで安心した。
みんなで話している時、
悠真がスッとあるものを渡してきた
そう言って渡されたのは
髪飾りやアクセサリーだった。
しかも全部私がほしいと言っていたものだった
私はドキッとした。
まさか、ここで北くんの名前が出てくるとは思わなかったから。
私がそう言うと悠真が耳元で
「昨日、北病院行く言うてたけど?」と言われ、私も耳元で「会ってへんけど来てたっぽい」と言った。
悠真は私たちが別れたのを知らない。
侑くんが言った言葉に疑問を感じた。
(恋愛禁止…?)
北くんは恋愛禁止というルールを守っただけ。
私は北くんの気持ちを確かめたかった。
まだ気持ちがあるなら。
まだ、私のことが好きなら……
そう思い、悠真たちが帰った後に
北くんに電話をかけた
1日遅れてしまったが
彼の誕生日をお祝いした
距離を感じた。気持ちの距離だ。
別れたから呼び方が前の呼び方に戻っている。
付き合ってた時みたいに
"愛生"って呼んでほしかった。
その愛しい声で私の名前を呼んでほしかった。
結局その日に聞けなかった。
さらに前よりも冷たく感じた。
北くんってあんな人やったっけ…

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!