美結:ええ試合やったなぁ
- 観客の皆もそう言っていた
確かに結果は負けてしまった
でも____誰がどう見てもいい試合だった
あなた:角名くん!
角名:……!あなた………
- 会場の外で彼が座っていた
意外と落ち込んでいるらしい
角名:負けちゃったよ
- 『 試合に勝ってかっこいい所を見せて
言いたいことを言いたかったんだけどね 』
そうやって角名くんは悔しそうに笑っていた
あなた:角名くんはかっこよかったよ
- 彼は驚いて顔を上げてあたしを見た
あたしは彼の頬を両手で包み込んだ
あなた:確かに結果は負けちゃったかもしれない。でも観客の皆も言ってた。あれは誰がどう見てもいい試合だったよ
- あたしがそう言うと____角名くんは唇を噛み締める
あなた:角名くんはバレーをしている時も,学校生活でも,いつもいつもかっこいいよ!
角名:え………?
- 彼はまた驚いた顔であたしを見る
あなた:あたしは過去のトラウマで好意恐怖症になった。男の人から好かれるのが怖くて……告白されても冗談だとしか思えなくて本当に本当に怖かった
- あたしは彼の頬を包み込んだまま話す
あなた:でも____そんな中で出会ったのが角名くんだった
角名:え……?
あなた:あたしね,角名くんといるとすごく安心出来たしすごく落ち着けたんだ!角名くんの優しく微笑む所とかあたしの内面をちゃんと知ってくれてるところとか,そんな角名くんならあたし大丈夫,って勝手に心を許してたの
- 微笑みながらあたしは話す
角名くんは____驚いていた
あなた:あたしを助けてくれたのはいつも角名くんだった
角名:え………
あなた:変われない。怖い。そう思っていたあたしを変えてくれたのは____確実に角名くんだった
角名:あなた…………
- 感情が高まりすぎて涙が出てくる
でも_____グッと堪えた
あなた:角名くん
角名:………?
あなた:あたし変われたよ……!
角名:………!
- この想いが実るかなんてわからない
でもあたしを変えたのは確かに" 彼 "の存在
あたしは____この想いを伝えたい
あなた:あたしにとって……大切な人が出来ました
角名:え………
あなた:あたし………角名くんの事が………!
『 好き 』
そう伝えようとした瞬間
角名くんとあたしの唇が重なった
角名:それは俺から言わせて
あなた:え………?
- 口を離せば彼はそう言った
そして口を開いた
角名:……俺はあなたのことが好きです
俺と________付き合ってください
あなた:ッよろしくお願いします………!!
- あたしがそう答えると
角名くんは思い切りあたしを抱き締めた
そしてまた____優しく唇を重ねた
あたし______変われたんだ
NEXT ▹▸ The Final episode .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。