第118話

お別れ
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2021/04/23 23:13

もう、帰らなきゃいけないのかぁ…楽しかったなぁ。



……なんて、荷物を全てバスに乗せた後に考えていたりするうち。


せっかくマネージャーさんや他校の方々と仲良くなれたのに、もうお別れなんて。



うちはそれぞれの高校の監督達にお礼を言いに行った後、赤葦さんと雑談をしていた。


出発する前に先生達でまだ話し合っているようだったから、皆でバスの前で溜まって戯れているのだ。



これで会えるのが最後かもしれないし、でももし次会えるのなら____________春高、だ。


もうすぐそこに近づいている春高予選で、うちらは勝つ。


そうすれば、全国で皆と会える、かもしれない。


いや、勝たなきゃだな。


勝たなきゃいけないんだ、うちらは。



赤葦「…難しい顔してますけど。何か?」


あなた「うぇ?あ、いや、何も……あ、そういえば」


ちょうど近くを通った木葉さんのシャツをつかんだ。


木葉「ん?…ってあなたちゃん?どうしたの?」


あなた「うちがこの前寝ちゃったとき…運んでくれたらしいので。ありがとうございます」


木葉「あぁ、記憶戻ったんだ。良かった」


あなた「いや……その時の記憶が、全くないんですよね」


木葉「え?」


赤葦さんにさっき教えてもらったから知ったんだけど、実はあれから全く記憶がなくて…。


ちょっと怖い。


あなた「まぁ、何もしてないようでしたので、良かったです。木葉さんに何か嫌なことでもしてしまっていたら、…って、心配になっちゃったんですけど」


木葉「あぁ、何もなかったけど…本当に覚えてないの?」


あなた「……(コクッ」


木葉「そっか。じゃあ俺も、あの時のことは忘れ_________」


木兎「あなたヘイヘイヘーイ!!」


あなた「あぎゃっ!!」


木兎さんに唐突に抱きしめられ…いや、突撃され?うちは体制を崩した。


木兎「また会おうな!あーあ、俺寂しいっ!!」


あなた「は、はい、会いましょう。あの、離してくだ__________」


黒尾「木兎ぉ。それは困るなぁ」


あなた「えぇ!?」


木兎さんと黒尾さんに抱きしめられ、うちは完全にサンドイッチ状態。


恥ずかしいの前に、苦しいので出してください!!


あなた「あのー!聞こえてますかー!!」


黒尾「聞こえなーい」


あなた「聞こえてるじゃないですか!!」


くうっ、こうなったら……!!!



あなた「澤村先輩っ!!」





澤村「はーい。君達ぃ。うちのマネージャーに、何かご用で?」←鬼スマイル




黒尾「…何でもないです」


木兎「…じゃあ代わりに赤葦抱きしめr」


赤葦「嫌です」




山口「…あなたちゃん、先生たち帰ってきたし、帰ろっか」


あなた「…はい」






どこまでも騒がしい彼らにお別れをし、うちらは烏野高校へと向かった。





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