第37話

私は可愛い
8
2024/05/06 06:43
ごばら
……!!!
私はうーすに向かって拳を振り上げる。
うーす
ひゃっ!
うーす
ごばらちゃん痛いよ〜
効いてない。
でも距離を縮められた。
勝てる…!!
ごばら
うp主は、君のことを嫌いだと思うよ。
私は、うーすの耳元でささやく。
うーす
え…?
ごばら
君のことが嫌いだから
ごばら
友達をつくって、友達に君の存在を押し付けようとしているんだ
うーす
そ、そんなことないもん!
私は不敵な笑みを浮かべる。

ついつい顔が笑ってしまう。
お前らの弱点なんて全部お見通しなんだよ。
ごばら
バケモノ
うーす
……ち、ちがうもん
うーすは今にも泣き出しそうな目で私を見る。
ごばら
バケモノに生きる価値なんてないんだよ?
ごばら
とっとと死ねよバケモノ
うーす
あ……ちが
うーす
私…バケモノじゃ…
うp主
……?
うーす
ハア…ヒュッ…!!
うーす
違うもん!
うーす
私は…!
うーすの体が黒く濁っていく。
うp主
……!!
うp主
なんで…!?
うーす
私は…!
うp主
「暴走」して…!
うーす
うp主のモノだもん!!!
うーすの体から黒い炎が溢れ出る。
ごばら
イヒヒッッ…!!!
余裕すぎる…!
いままでなんで倒せなかったのか理解が出来ないくらい簡単すぎる…!
イージーゲームとはまさにこのこと!
うp主
う、うーすちゃん!落ち着いて!
うp主
だめだって!
うーす
あ゛ぁ゛ぁあ゛あ゛あ゛
うーすの黒い炎が少しづつ収まっていく。
うp主
そ、そうそう!ちょっとづつ抑えていって!
うp主
大丈夫だから
うp主
ね?
ごばら
……チッ
せっかく「暴走」させたのに
まあ、また「暴走」させればいい話!
大きな力を抑えておくには強い肉体が必要だ。
だがうーすは明らかに大きな力に体が追いついていない!
うp主も馬鹿だ!
あんなバケモノを殺さず生かしておくだなんて!
うp主の弱点は、
「あいつ」だ!!
うーす
あ゛ぁぁ゛ああ゛゛あ
うーすの黒い炎が完全に鎮火する。
そして、鎮火した煙の奥から出てきたそれは
酷く、醜く、黒かった。
まるで、抑圧してきた黒いモノが
あの一言で溢れ出すように
悍ましく、汚く、醜かった。
うp主
やばい…。
うーす
あ゛?
うーすはうp主に顔を近づける。
うーす
あ゛ーー?
うーすはうp主に触れようとする。
うp主
…!!
うp主はそれを避ける。
うーす
あ゛
うーす
あ゛ぅ゛…!!
うーす
あ゛ぁ゛ぁあ゛ぁ゛あ゛!!!
避けられたことがよほど悲しかったのか
「それ」は黒い涙を流す。
黒い涙が地面に落下する。
その瞬間
黒い涙は、まわりの物を嫌うがばかりに
どんどん
溶かしていく。
うp主
あー…!もう!
うp主
どうしよ!どうしよ!
ごばら
…あぁー!
ごばら
そういえばさっきー私の舌がー
ごばら
取れちゃったんだったー!
ごばら
あれ?なんで取れちゃったのに喋れるのかな?
私はそう言いながら、先ほど千切った偽物の舌を踏み潰す。
ごばら
うp主
ごばら
私ならそのうーすちゃんを
ごばら
元に戻してあげれるよ?
私は最高に可愛い顔をする。
だって楽しくて、楽しくて、
可愛い顔をしちゃうんだ。
うp主
……は?

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