私はうーすに向かって拳を振り上げる。
効いてない。
でも距離を縮められた。
勝てる…!!
私は、うーすの耳元でささやく。
私は不敵な笑みを浮かべる。
ついつい顔が笑ってしまう。
お前らの弱点なんて全部お見通しなんだよ。
うーすは今にも泣き出しそうな目で私を見る。
うーすの体が黒く濁っていく。
うーすの体から黒い炎が溢れ出る。
余裕すぎる…!
いままでなんで倒せなかったのか理解が出来ないくらい簡単すぎる…!
イージーゲームとはまさにこのこと!
うーすの黒い炎が少しづつ収まっていく。
せっかく「暴走」させたのに
まあ、また「暴走」させればいい話!
大きな力を抑えておくには強い肉体が必要だ。
だがうーすは明らかに大きな力に体が追いついていない!
うp主も馬鹿だ!
あんなバケモノを殺さず生かしておくだなんて!
うp主の弱点は、
「あいつ」だ!!
うーすの黒い炎が完全に鎮火する。
そして、鎮火した煙の奥から出てきたそれは
酷く、醜く、黒かった。
まるで、抑圧してきた黒いモノが
あの一言で溢れ出すように
悍ましく、汚く、醜かった。
うーすはうp主に顔を近づける。
うーすはうp主に触れようとする。
うp主はそれを避ける。
避けられたことがよほど悲しかったのか
「それ」は黒い涙を流す。
黒い涙が地面に落下する。
その瞬間
黒い涙は、まわりの物を嫌うがばかりに
どんどん
溶かしていく。
私はそう言いながら、先ほど千切った偽物の舌を踏み潰す。
私は最高に可愛い顔をする。
だって楽しくて、楽しくて、
可愛い顔をしちゃうんだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。