金色の光に包まれたかと思うと、セオドールはあの怪我もなく、牙の尖った吸血鬼になっていた。
私たちはしばらくまた見つめあい、それからどちらともなく口づける。
あっ!
急いで唇を離して咳払いをする。
色んなことを知りたいのだ。
…私ってすごい幸せ者よね。
世界を旅して…できれば、子供も作って。
いつか、素敵な場所で家を建てて暮らしたい。
きっと、すごく幸せだと思う。
どんなに辛いことがあっても、セオドールさえいれば。
少しだけしんみりとする。
ジルエスタは大事な友達だ。
今回のことだって相談してくれても良かったのにとはちょっと思うけど、
私のために色々やってくれたんだから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。