第24話

提案
214
2020/08/30 03:59
ジルエスタ
昨日の夜中に俺は城に行ったんだ。
陛下にある提案をするためにな…まさかこんなすぐに実行するとは思ってなかったが
屋敷の中は暖かく、出されたお茶とお菓子をつまみながら
疲れを癒していた。
セオドール
提案?
ジルエスタ
姫さんを幸せにするための、な
そうしてジルエスタはゆったりと話し出した。


私の幸せな未来は、
死ぬまでセオドールと一緒に愛し合うこと。


そのための課題が二つ。

一つ目、身分差。
道楽としては良いが、本気で従者と結婚することはできない。
将来、セオドールが死んだ後私はジルエスタと一緒になる予定だった。


二つ目、寿命。
私の寿命の十分の一しかセオドールは生きられないのだ。

ジルエスタ
身分差を解決するために、陛下は姫さんを勘当する。
寿命を解決するために、陛下は姫さんに違う罪を着せ、人間側への対面を保ったまま姫さんが他の法を犯せる状況を作った
ニア
他の法……?
ジルエスタ
『人間の吸血鬼化』
セオドールと私は目を合わせた。
ニア
でも、吸血鬼化の方法はもう伝えられてないんじゃ……
そう学校で習ったよ?
ジルエスタ
城の禁書庫を閲覧する権利を陛下に与えられたんでね
ジルエスタはふー、とため息をつく。
ジルエスタ
んで、その方法が、『お互いの血を同時に飲むこと』だ
さっと体温が低下する。
暖かい部屋なのに。


血を飲む。
そう考えただけで気分が悪くなってしまった。

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