収録は順調に進んだ。
所々緊張してうまくしゃべれなかったけど、照史君や淳太君がすかさずフォローしてくれたり、濱ちゃんがボケたりしてくれた。
そう言われてホッとしながらステージ裏に向かった。
ステージ裏に行くとすぐに3人が集まってきて背中をさすってくれた。
そんなみんなを見て張りつめてた緊張が解けたのか、ふっと足の力が抜けてへなへなとしゃがみこんでしまった。
3人が声をそろえる。
心配そうな顔をするみんなに笑って、足を踏ん張った。
着替えてたら望が不安げに僕を見てた。
笑いながら背伸びして望の衣装の襟を直してあげる。
僕が言うと、神ちゃんと流星も来て「ええな!」と頷いた。
4人で円になり、肩を組む。
右には望。左には流星。真ん前に神ちゃん。
望の背中に手をおいたとき、早い心臓の鼓動が、手にまで伝わってきた。
すうっと息を吸って、思いっきり、
あ、こういうのって前置きいるんやっけ?
初めてやるもんやからいきなり言っちゃったんやけど・・
案の定、3人は「え・・?」と顔を上げた。
3人の視線にそう返すと、流星が吹き出して、望も神ちゃんも「びっくりするわぁ」と笑った。
笑いながら言われる。
余計やりにくなるわ。
肩から手を離したら、みんなで大笑い。
笑いながらスタンバイの位置に行く。
いや、笑われながら、か。
でも、円陣組むなんて、ユニットらしいな。
気合い、めっちゃ入った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。