第8話

#6
153
2026/04/03 02:33 更新







カルマside…





その日の夜もまた公園で話していた

意味のない適当な会話

学校の話をするのは少しだけ気が引けるけど

教師の話くらいは





意外にもあなたちゃんは甘党らしい

嫌い

って端的に返ってくると思ってたから

なおのことだった





カルマ
嫌いなものは?






そう聞いた時

あなたちゃんが黙ってしまった

嫌いなものって簡単に出てくる気がするんだけど

あなたちゃんなりに思う所があるのだろうか




you
わかんない
カルマ
そっか






深くはなさそうだけど沼を感じたから

そっかとだけ返した





それにしてもあなたちゃんは

飽きそうなくらいナイフを回してる

常に持ってるから持ってない瞬間を見たことがない

やっぱり気になることは色々出てくるもので

少し考えてるうちに

聞いてしまっていた




カルマ
それ、触ってもいい?
you
いいよ






そう言って一瞬の迷いもなく差し出してくる

警戒心ゼロ?

ナイフだよ?

なにかされるかもしれないのに

無防備すぎるよ、それは





ナイフを受け取って重さを確かめてみる

ナイフにしては軽いけど

重心があって

本当に自作なんだろう





そして試すように

ナイフを回してみる

ペン回しの要領でできる気がする

あっさりできた





あなたちゃんの方を見ると

僅かに目を開いて驚いていた

表情筋使ってる…






you
上手いね
カルマ
でしょ?






そう言った直後

右手の人差し指に違和感を感じた




you
指、切れてる
カルマ
ほんとだ






少しかすってたんだ

このくらい大したことないし

平気と言おうとした時

あなたちゃんが立ち上がって





you
まだまだだね





なんて笑って言うから

あ、やば

だめだよ

そんな顔しちゃ

声も少しだけ柔らかかった気がした

ずるいよ





あなたちゃんは俺の前でしゃがんで

ポッケから消毒液と絆創膏を取り出した

え、




you
手、貸して
カルマ
準備いいね…?






あなたちゃんは返事をせずに

当たり前みたいに俺の手を取って

手当をした

あなたちゃんの指は綺麗で細長くて

爪も手入れされてて、肌はすべすべで…

ははっ、何これ(笑)






you
はい
カルマ
ありがとう…
you
うん






あなたちゃんは立ち上がってナイフを受け取り

パタンと折りたたんだ




カルマ
なんで持ってんの?






気になったから聞いてみると

あなたちゃんは少し静かになり

言った




you
自分でもたまに怪我するし






普段怪我なんてしていないでしょ

あなたちゃん…

それだけで絆創膏と消毒液を持ち歩いてるなんて

少し想像がつかない

あなたちゃんもこの程度どうでもいい

って気にしないタイプじゃん?




you
あと、誰かさんが触りたいって言って
今みたいになった時のため
カルマ
……は?






一瞬思考が停止する

それは俺のことを思って持ち歩くようになった

って言うようにしか聞こえなかった






you
何、どうかした?






いつもの無気力な声はどこにいったの?

無自覚だったんなら

末恐ろしいよ




カルマ
へぇ、優しいじゃん(笑)






そういつもの調子に見せる

内心はしっかり焦ってるのに





勘違いするよ?





してもいいの?





ねぇ、煽り逃げは絶対だめだからね?











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