🖤蓮side
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!
カオルに言われた通りの道を走る。
合ってるかどうかは知らない。まだ裏切ってる可能性だってないわけじゃない。でも、それしか信じられる情報がない。
阿部ちゃんを探し始めてすぐ、カオルを脅せば吐くかもしれないと思った。押しかけたら予想通り康二は鍵開けっ放しで。
この状況になったなら走るしかない。
雲行きが怪しくなってくる。
ポツリと額に水滴がかかり、2、3分後にはがっつり雨が降っていた。確かに、今日の天気予報でにわか雨に注意って言ってたっけ。
走れ、走れ!!
足がだるくなってくる。喉の奥で血の味がする。心臓は飛び出そうなほど脈打ち、痛い。
道端の石に躓いて転ぶ。
痛いし、手を少し擦りむいたが、もちろんそんなことを気にしている場合じゃない。
体の何かが壊れてしまったか、とうとう痛みも感じない。
本拠地まではかなり距離があって、まだまだ遠い。
それまで頑張って走るんだ……。
💗大介side
まずいまずい、雨まで降ってきたぞ。
蓮が行くとすればどこだ!
康二の家に行ってみたけど、もちろん鍵がかかってたし……。
ああ、どうすればいいんだよ!!
俺はずっと走り続けて疲れてしまった。見つかる気もしないし……。
え、今上から声!?
しかもこの声……。
照と涼太が、よく分からない飛行機のようなものに乗っている。側から見たら不審物としか思えないその飛行機は、俺めがけて急降下してきた。
こいつら……こいつら……!
飛行機は2人乗りだったけど、俺くらいならなんとか乗り込めた。蓮だったら無理だったな。
文句を言われつつ、俺たちは空に飛び立った。
🖤蓮side
ゼェハァと息を切らしつつ、俺はようやく目当ての建物を見つけた。
廃墟みたいな場所だった。
小さな工場?倉庫?のような感じで。
みんなは今頃どうしてるだろう。そんな不安も過ったが、俺はその建物に忍び込む他ない。
カオルが言う忍び込むのに良い場所まで来た。もしカオルがなおも裏切っていて、侵入口が警戒されてたら終わりだ。そんなこと、考えたら分かったはずだが。
俺の頭の中は、そんな状態じゃなかった。
どうも、桜栞です。
何話更新するんだ?って話ですけど、今日ノリに乗ってて。もしかしたらもう一話ほど公開するかもしれないです。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。