第56話

走れ目黒
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2026/01/23 10:18 更新

🖤蓮side


 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!


 カオルに言われた通りの道を走る。

 合ってるかどうかは知らない。まだ裏切ってる可能性だってないわけじゃない。でも、それしか信じられる情報がない。


 阿部ちゃんを探し始めてすぐ、カオルを脅せば吐くかもしれないと思った。押しかけたら予想通り康二は鍵開けっ放しで。

 
 この状況になったなら走るしかない。

 雲行きが怪しくなってくる。

 
 ポツリと額に水滴がかかり、2、3分後にはがっつり雨が降っていた。確かに、今日の天気予報でにわか雨に注意って言ってたっけ。
🖤
はぁ、はぁ……

 走れ、走れ!!

 足がだるくなってくる。喉の奥で血の味がする。心臓は飛び出そうなほど脈打ち、痛い。
🖤
……っ!

 道端の石に躓いて転ぶ。

 痛いし、手を少し擦りむいたが、もちろんそんなことを気にしている場合じゃない。

 体の何かが壊れてしまったか、とうとう痛みも感じない。


 本拠地まではかなり距離があって、まだまだ遠い。

 それまで頑張って走るんだ……。

💗大介side


 まずいまずい、雨まで降ってきたぞ。

 蓮が行くとすればどこだ!


 康二の家に行ってみたけど、もちろん鍵がかかってたし……。


 ああ、どうすればいいんだよ!!

 俺はずっと走り続けて疲れてしまった。見つかる気もしないし……。
💛
佐久間ーーー!!!

 え、今上から声!?

 しかもこの声……。
💗
照!!!

 照と涼太が、よく分からない飛行機のようなものに乗っている。側から見たら不審物としか思えないその飛行機は、俺めがけて急降下してきた。
💛
乗ればか!なにひとりで探しに行ってんだ!
全員で協力して目黒探すぞ!
❤️
照……この雨の中でどうする気だよ……
💛
関係ない探すしかない

 こいつら……こいつら……!
💗
ありがとう!!

 飛行機は2人乗りだったけど、俺くらいならなんとか乗り込めた。蓮だったら無理だったな。
❤️
狭い

 文句を言われつつ、俺たちは空に飛び立った。

🖤蓮side
🖤
見えたっ

 ゼェハァと息を切らしつつ、俺はようやく目当ての建物を見つけた。

 廃墟みたいな場所だった。

 小さな工場?倉庫?のような感じで。


 みんなは今頃どうしてるだろう。そんな不安も過ったが、俺はその建物に忍び込む他ない。


 カオルが言う忍び込むのに良い場所まで来た。もしカオルがなおも裏切っていて、侵入口が警戒されてたら終わりだ。そんなこと、考えたら分かったはずだが。


 俺の頭の中は、そんな状態じゃなかった。

 どうも、桜栞です。

 何話更新するんだ?って話ですけど、今日ノリに乗ってて。もしかしたらもう一話ほど公開するかもしれないです。

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