🖤蓮side
侵入したら、もう完全に倉庫って感じで。
幸い、侵入口から襲われることはなかった。
カオルに聞いた通りの構造なら、ここをまっすぐ進むはず。俺はそろりと歩いて行く。
やっと見えた曲がり角の向こうをそっと見る。この先が本拠地のはず……。
見覚えしかない人の姿があった。
後ろ姿だけど、あれは完全に阿部ちゃん。
縛られていた。ほんと許せない。
と、その時。後ろから足音が聞こえた。
まずいまずいまずい!進んだら敵なのに戻っても敵なのかよ!?
ようやく俺の頭は冷静さを取り戻し、いよいよこの状況がまずいと悟った。
ここまで来て戻れない。戻った先で敵と会って俺の存在が全員にバレたらおしまいだ。
どうしようもない。俺は角の向こうにそっと出た。
明らかに敵であろう奴らは、みんなこちらを向いていない。後ろから不意打ちすればもしかすると……!
ドンッ
腹に重い衝撃を感じた。ふらついたところに別の敵がやってきて、俺と同じ蔦の能力で俺を捕えた。
耳元に敵はいたんだ。つまり、透明になれるミカゲとかいうやつ。最悪だよ。俺どうすりゃいいんだ……。
騒ぎに気づいた阿部ちゃんがこちらを見た。
何も感情のない目だった。
💜辰哉side
なんてことだ!めめがやられちゃったかも……。
俺と翔太はどれだけ運がいいのか、ボロい倉庫みたいなとこに侵入するめめを見てしまった。全員に連絡した後そろそろと後ろをついていったら、明らかにめめがやられた感覚があった。まずめめの苦しそうな声がしたし、物音もした。
俺と翔太はすぐにその場から逃げ出して、みんなに連絡を入れた。
すると、ちょうど照と舘さんが康二の家付近で佐久間を見つけたらしい。
ラウールがグループ通話でテキパキと指示を出してくれた。というか、飛行機有能すぎんだろ。
照・舘さん・佐久間の3人はミオリ回収に行くけど、ラウールと康二はすぐ来てくれるらしい。
俺と翔太は、めめが能力を取られたり、ひどいことをされたりしないように祈りながら、ただ待つことしかできなかった。
夜分遅くに投稿すみません!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!