ドズルside
おんりーのその一言で、雪だるまくんは再びポケットの中へと姿を消した。
かき氷食べたいなぁーとか、この世界にかき氷ってあるのかなぁーとかいう雑念を殴り飛ばし、ひたすら歩く。
ぼんさんの指の先には、まさに立方体の檻としか言いようがないものが鎮座していた。
空間はひらけていて、ご丁寧に階段まである。
軽く言うや否や、左手に盾を握りしめて階段目掛けて突っ込む2人。
その先に、金色かつ真四角の敵が出現した。言わずもがなブレイズである。
フライドポテトを思わせる金色の棒を何本か周りに浮かせ、あろうことかその棒が体の周りをくるくる回っている。
なんだかお腹が空いてきた。
ステーキの残りは……もうない。
後でぼんさんにもらおう((
なんて思考を頭の片隅で巡らせながらも、その姿を認識したちょうどそのタイミングで、僕らの周りを漂っていたオレンジ色のモヤモヤが消えた。
そう言うや否や、弓を構えて発射する。
火を振り撒く個体のうちの一つに見事命中、瀕死だったのかその場で何かを落として消えた。
腕を掴んで強めに引っ張ると、ようやく吹っ切れたのかぼんさんも剣を構えた。
もう必要はなさそうだと手を離し、僕も剣を前に向ける。
おんりーの声と同時に飛んでくる火の玉を、僕は咄嗟に構えた盾で防ぐ。
僕たちがいるのは、ひらけた空間の手前側。
奥側はおんりーとMENが担当していて、おらふくんが臨機応変に動いている。
なら僕らは、前側に湧いた個体を倒そう。
同じ考えに至ったのか、ぼんさんも手前側で止まる。
飛んできた火の玉を、僕らはまた防いだ。
凄まじい熱気に頬を汗が伝う。
何度かの連続攻撃をやり過ごすと、ブレイズが纏っていた炎が消える。
攻撃するなら、今。
ぼんさんと一瞬視線を交わし、僕は右の方、ぼんさんは左の方に斬りかかった。
十数分後。
おんりーの手元には、僕らが集めた分含めて10本のロッドが握られていた。
もう十分集まったと言えそうなので、あとは残っていたブレイズを適当に倒して階段から降りた。
あまりの地獄耳っぷりにびっくりしたのか、言葉を失うおらふくん。
冗談半分の怒り顔を作ってからすぐにそれを消したMENは、その辺にいた黒い骨を処しながらふと声を上げた。
いつものノリで雑談しながらも、スポナー部屋から確実に距離をとっていく。
ちなみに、先ほどしれっとMENの手であの世に送られた黒骨は、ウィザースケルトンというそうだ。
通称ウィザスケ。とても言いやすい。
普通のスケルトンは弓を撃ってくるのに対して、こちらは剣を持っていた。
ちょっと怖かった()
MENの真似をして近くにいたウィザスケをしばいたぼんさんから声が上がる。
ぼんさんの手には、まさにウィザスケの頭の部分だけ取りましたと言わんばかりの物体が握られていた。
久々に僕らの声が揃った瞬間だった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。